週刊イラン
この1週間にイランで起こった主な出来事です。 IAEA国際原子力機関の天野事務局長が、核合意に関する新たな報告を提出しました。 イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、ミャンマーの人道的な悲劇について語りました。 イラン代表団が出席する中、カザフスタンのアスタナで、シリア協議の新ラウンドが開催されました。 そして、アメリカの核合意に反する動きと、トランプ大統領の不合理な政策に対する批判についてみていきます。
IAEAの天野事務局長が、今週、定例理事会に核合意に関する新たな報告を提出しました。
天野事務局長の報告では、再び、イランが核合意を遵守していることが強調されています。イランのナジャフィーIAEA大使は、先週水曜、定例理事会で、「核合意のすべての関係国は、相互尊重と建設的な雰囲気の中で、完全な誠意をもって、相互の履行に基づいて行動すべきだ」と強調しました。
ナジャフィー大使は、「アメリカは、核合意の実施から1年8か月が経過する中、この合意の内容と精神に反し、この合意の実施の成功を弱めるために非建設的なアプローチを取っている」と語りました。また、シオニスト政権イスラエルの大使の主張に反論し、シオニスト政権の軍事的な核活動は、地域や世界の最大の脅威であるとし、IAEAにこの問題への真剣な対応を求めました。
こうした中、EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は、改めて、核合意を支持しました。グローバルリサーチ研究所のインターネットサイトによれば、モゲリーニ上級代表は、核合意を支持し、「核合意は二国間の合意ではない。以前にも話したが、ここで再び繰り返す。核合意は国際社会とイランの合意であり、国連安保理の決議でも支持され、IAEAにも認められている」と語りました。
一方で、アメリカ政府は、最近、イランに対する新たな世論操作を開始しています。アメリカのヘイリー国連大使は、先週、根拠のない非論理的な発言の中で、「核合意は欠陥のある制限的な合意であり、その内容は再び協議される必要がある」と語りました。
これと同様の発言を、シオニスト政権のネタニヤフ首相も提起し、核合意の修正、あるいは可能な場合の破棄を求めました。
アメリカ政府が考える選択肢には、IAEAのより厳しい査察の強調と、イランの軍事施設への査察要請があります。イランのザリーフ外務大臣は、「核合意により、IAEAは何らかの口実でイランの機密事項を探るための査察を行うことはできない」と強調しました。
ザリーフ外相は、ロシアのプーチン大統領とソチで会談した後、記者団に対し、「核合意は協議できる問題ではなく、国際的な合意である。すべての関係国がこの合意を守るべきだ」と強調しました。
フランスのマクロン大統領も、「イランの核合意に代替は存在しない」とし、核合意に対するフランス政府のアプローチへのあいまいな点を払拭しました。ロイター通信は、マクロン大統領の発言を、核合意を破棄しようとするアメリカとトランプ大統領への警告だとしています。
明らかに、アメリカは、このような行動によって2つの目的を追求しています。一つ目の目的は、地域におけるイラン恐怖症の政策です。そして二つ目の目的は、地域や世界におけるイランの役割に対して穏やかに反対することです。
ロイター通信はこれについて、先週、「トランプ大統領は、アメリカが、イランと、イラクやシリアのシーア派に対して、より攻撃的な対応を示すことができるような戦略を検討している」と報じました。ロイター通信はこれについて、「この計画は、マティス国防大臣、ティラーソン国務長官、マクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官、その他一部のアメリカの高官が作成し、金曜の国家安全保障会議でトランプ大統領に提出された」と伝えました。
こうした中、トランプ大統領が、果たして、イランに対する攻撃的な戦略を実施できる立場にあるのかについては、議論の余地が残ります。トランプ大統領は現在、国際レベルで示してきた行動により、反イランの一致を実現する力を持っていません。
ミャンマーのロヒンギャ族のイスラム教徒の殺害を、イランの政府高官が強く非難しています。最高指導者のハーメネイー師は、先週火曜、ミャンマーの悲劇に対する人権擁護の主張者や国際機関の沈黙を批判し、次のように強調しました。
「ある国の犯罪者一人を罰するために大きな騒ぎを起こす人権擁護の主張者たちは、ミャンマーの数万人の人々の殺害や難民化に対しては、何の反応も示してない。この問題の解決策は、すべてのイスラム諸国の具体的な行動であり、ミャンマーの政府に対する政治的、経済的な圧力である」
ハーメネイー師は、OICイスラム協力会議が、ミャンマーの問題に関する会合を開くことが不可欠だとし、次のように語りました。
「ミャンマーの悲劇を、イスラム教徒と仏教徒の間の宗教的な紛争ととらえるのは誤っている。この出来事には宗教的に偏った考え方が影響を及ぼしているかもしれないが、これは政治問題である。なぜなら、それを実行しているのはミャンマー政府であり、そのトップに立つのは、ノーベル平和賞を受賞した無慈悲な女性であるからだ。彼女はこの出来事によって、実際、ノーベル平和賞の死を示した」
アウンサンスーチー氏のロヒンギャ族の危機に対する無関心な態度は、ソーシャルメディアなどでも、数か月前から騒がれてきました。8月25日から現在まで、ミャンマー軍のロヒンギャ族に対する弾圧や攻撃により、6000人以上のイスラム教徒が死亡、8000人が負傷しています。
ザリーフ外相は、国連のグテーレス事務総長に宛てた書簡の中で、ミャンマーのイスラム教徒に対する組織的な暴力の継続について警告し、「国際社会、特に国連は、この問題について早急に措置を講じるべきだ」と記しました。
パキスタンのアシフ外務大臣は、先週、政治・経済代表団を率いてイランを訪問しました。この訪問では、イランとパキスタンのテロとの戦いにおける協力の拡大、両国の国境の安全保障の向上、経済協力の拡大について協議が行われました。
イランのローハーニー大統領は、アシフ外相との会談で、「イランは、パキスタンをはじめとする地域諸国と、テロとの戦い、地域の平和、安定、安全の拡大に関して協力を行う用意がある」と語りました。
アナ2
現在の状況の中で、イランとパキスタンの協力は、不可欠な問題になっています。なぜなら、地域諸国の問題は、地域による解決が必要であり、地域外の大国による行動が、問題を解決することはないからです。
イランとパキスタンは、両国の可能性に注目し、互いの経済的なニーズを補い合うことができます。パキスタンは、イランのエネルギーを必要としており、イランもまた、農産品など、パキスタンの生産品を必要としています。このニーズは、両国の可能性を利用することによって満たすことができます。
イランは、テロとの戦いにおけるすべての近隣諸国との協力の用意を強調していますが、それは単なるスローガンではありません。実際、イランは、この協力やテロとの真の戦いを決意していることを証明しています。これについて、先週、ザリーフ外相は、ロシアの政府高官と会談するため、ソチを訪れ、同じ時期に、イラン、ロシア、トルコの代表が出席し、カザフスタンの首都アスタナで、6度目のシリア問題に関する協議が行われました。
ザリーフ外相はソチで、「イランとロシアの間には、シリアに平穏を確立するための良好な協力が存在する。アスタナのシリア和平協議で、シリアの政治プロセスの開始と平穏の確立に向け、さらなる成功が得られることを期待している」と語りました。
アスタナ協議は、イラン、ロシア、トルコのイニシアチブにより、シリアの和平確立を目指して進められています。シリアとイラクのテロリストに対する数々の勝利、重要な戦略的地域の解放は、協力により、地域の安定と治安を回復することができることを示しています。
先週、OICイスラム協力機構の科学技術に関する首脳会合に、ローハーニー大統領が出席しました。ローハーニー大統領は、カザフスタンで開催されたこの会合で、「イランは、科学技術の分野でイスラム諸国と協力する用意がある」と語りました。
この会合に出席するため、ローハーニー大統領に同行したイランのサッターリー科学技術担当副大統領は、IRIB通信のインタビューで、「イスラム諸国の宗教的、文化的な共通の見解は、新たな技術の発展などに向け、非常に良好な下地となっている」と語りました。
イランは昨年、科学技術論文の発表件数の点で、世界第一位になりました。