アメリカの核合意離脱に関するイラン外相の警告
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ザリーフ外務大臣
アメリカのトランプ大統領のイラン核合意に対する最近の立場は、ヨーロッパ諸国やアメリカの一部政府関係者が核合意を支持しているにもかかわらず、トランプ大統領が、イランのこの合意の遵守を認めないようにしようとしていることを示しています。イランのザリーフ外務大臣は、イギリスの新聞、ガーディアンとフィナンシャルタイムズのインタビューで、トランプ大統領は脅迫を実行し、10月15日に議会に提出されるアメリカ国務省の報告の中で、イランの核合意遵守を認めない可能性があると予想しました。
ザリーフ外相はさらに、ヨーロッパ諸国に対し、トランプ政権がイランとの国際的な核合意を破棄した場合、アメリカを無視するよう求めました。また、「ヨーロッパがアメリカ政府に従えば、核合意は失われ、イランはさらに進んだ核技術、つまり2015年の核合意以前の技術を持って現れるだろう」と警告しました。
トランプ大統領が、10月15日にアメリカ国務省が議会に提出する3度目の報告の中で、イランの核合意遵守を認めなければ、議会は60日以内に、核合意によって停止していた制裁を復活させることができます。ザリーフ外相が強調したように、もしそうなれば、イランは核合意の取り決めを遵守する義務はなくなります。
トランプ大統領による核合意の破棄による対抗措置には、数多くの選択肢が存在します。イランが講じることのできる最短の措置は、核合意以前の平和的な核活動を復活させることです。核に関する研究や開発は、イランに新たな技術をもたらしており、イランがトランプ政権による核合意の破棄に対して、その選択肢を実行する必要がでたとき、最新の技術によってそれを行うでしょう。イランがアメリカの核合意離脱に対して行う可能性のある選択肢の中には、イランの核合意離脱も存在します。
さらに、イランには別の選択肢もあり、それらを行うか否かは、トランプ政権の核合意破棄に対する6カ国側の対応の仕方によります。ザリーフ外相によれば、ヨーロッパ諸国やロシアと中国が、アメリカの核合意離脱後にこの国に同調してイランに敵対すれば、核合意は終わったものと見なされることになるでしょう。
こうした中、ヨーロッパ諸国やロシア、中国が核合意の維持を強調していることから、アメリカは、核合意離脱に関して孤立すると見られています。これについて、アメリカのケリー元国務長官は、ワシントンポストで次のように語っています。
「アメリカが核合意を離脱すれば、ヨーロッパの同盟国を失い、”アメリカは約束を守らない”というメッセージを世界に送ることになる」
EUのモゲリーニ外務安全保障政策上級代表も、最近、イランは常に核合意を遵守してきたと強調し、次のように語りました。
「ヨーロッパは、たとえアメリカが国際的な核合意を離脱しても、核合意を維持するため必要なあらゆることを行う」
核合意の枠内で、イランのこの合意の遵守を認める責務を負う唯一の機関は、IAEA国際原子力機関です。IAEAはこれまで8度の報告の中で、イランの核合意の遵守を認めています。このような状況の中で、トランプ大統領の個人的な見解は、イランの核合意遵守の程度や範囲を決めるものではありません。トランプ大統領の核合意の破棄は、アメリカが取り決めを守らない国であることを、再び世界に証明することになるのです。