週刊イラン
この1週間にイランで起こった主な出来事です。 イスラム革命勝利を記念する特別なイベントが開催されています。 イランとロシアの外交面での努力により、ロシアのソチで、シリア国民対話会議が開催されました。 アメリカがイランに敵対する行動を続け、根拠のない疑惑を提起しています。
ここからは、イスラム革命の勝利記念日と、この大きな変化の成果についてお話しましょう。

イランのイスラム革命は、勝利から40年目に入ろうとしています。
この革命は、“東でもなく、西でもない”をスローガンに始まり、世界の大国の支配に抵抗し、公正の追求というメッセージを世界に届け、世界の虐げられた人々の模範となりました。
ハーメネイー師は、イランのイスラム革命の柱について次のように語っています。
「革命が形作られるためには、ひとつの思想的な要素と2つの人間的な要素が必要になる。思想的な要素とは、イデオロギーであり、革命はそれを基盤にする。人間的な要素とは、人々であり、指導者である。この3つの要素がそろい、同じ方向性を持つとき、革命が形成される」

アメリカのイランに対する敵対は、新たな段階に入っています。アメリカのヘイリー国連大使は、先週、国連安保理の理事国の大使をトランプ大統領の昼食会に招待し、イラン製のミサイルの残骸だとする鉄の塊を示し、イランがイエメンにミサイルを移送しているという主張を再び繰り返しました。
アメリカのトランプ大統領も、一般教書演説で、イランの一部の都市で起きた最近の暴動に触れ、次のように語りました。
「イランで情勢不安が起こったとき、私は黙っていなかった。アメリカは、イラン国民の自由を求める勇気ある闘争において、彼らを応援する」
このような干渉的かつ挑発的な行動と同時に、CIAのポンペオ長官も、イランに対するいつもの主張を繰り返し、「イランの地域活動は、イランの利益のためのものではない」と語りました。
トランプ政権が発足した1年前から、アメリカは、地域にイラン恐怖症を広めようとしてきました。
トランプ大統領は、就任後初の外遊を、サウジアラビアの首都リヤドから始めました。トランプ大統領はこの訪問で、NATO北大西洋条約機構のアラブ版構想を提起し、さらに、4000億ドルの武器協定を締結しました。イラン統合参謀本部のラヒームサファヴィー最高顧問は、ペルシャ湾岸のアラブ諸国とアメリカの政治的、軍事的な関係について次のように語っています。
「実際、アメリカの現大統領、歴代大統領は、地域の過激派の元凶がどこにあるかをよく理解している。だが、経済的な動機や政策により、アメリカの現大統領の発言や立場の方向性が変わってしまった。実際、アメリカの利益は、地域におけるイスラム諸国の間に緊張を作り出し、情勢不安を広めることによって得られる」
「アメリカは常に、イランが核兵器を追求しており、イランの弾道ミサイルは、核弾頭を搭載するために設計されていると吹き込んでいる。アメリカの関係者は、大衆を扇動する政策の中で、問題をはぐらかす発言を行い、イランが地域に情勢不安を作り出していると非難することで、西アジアにおけるアメリカの役割を肯定的なものに見せようとしている」
「イランの地域における役割をテロ支援と結び付けることは、実際、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの共通の思想的な基盤になっている。こうした中、地域に情勢不安を作り出し、ISISやアルカイダといった組織を生み、テロ組織を支援し、イラクとシリアに戦争を引き起こし、イエメンを分割するためにサウジアラビアがこの国を攻撃していることは、中東の地図を変更するためのアメリカの計画である。

アメリカの対イラン政策は目新しいものではなく、アメリカのイラン国民に対する真の態度は明らかになっています。アメリカの50年以上にわたる敵対は、そのことを明らかに物語っています。
アメリカの政治家は、トランプ政権以前にも、地域でダブルスタンダードな政策を追求し、西アジアを、イスラエルへの支援を軸にした干渉的な措置のための場所にしてきました。しかし、トランプ政権になってから、サウジアラビアなどの地域諸国の政府の役割を拡大することにより、より明らかに見られるのは、アメリカの地域駐留の継続を正当化するために、この地域に押し付けた危機を利用することです。国際問題の専門家であるガーセミー氏は、この流れを分析する中で、次のように述べています。
「アメリカは、イスラム諸国を互いに対立させ、情勢不安を作り出そうとしている。その明らかな例は、現在、世界の覇権主義者とシオニストロビーの作戦指令室の複雑な政策により、サウジアラビアなどの国が、地域におけるアメリカの計画の実行者になっていることだ」

先週、シリアの国内外の反体制派1500人が出席した、シリア国民対話会議が、ロシアのソチで開催されました。
イラン外務省のジャーベリーアンサーリー政治特別担当顧問が、ソチの会議に出席しました。
ジャーベリーアンサーリー顧問は、この会議の終了後、アルメナールチャンネルのインタビューで次のように語りました。
「アスタナとソチの協議で行われた事柄は、危機を脱するためのシリア人同士の真剣な話し合いに向けた、良好なスタート、正しい歩みになりうる」
ジャーベリーアンサーリー顧問は、シリアの様々なグループの代表者が出席したことは、この会議の成功に十分な要素だとし、この会議を退去したグループに触れ、「彼らも再び、協議に戻ることができる」と語りました。

ソチの会議は、シリア危機の解決に向け、具体的な進展が見られたこと、この動きが、シリアの主権と領土保全による恒久的な安定と平穏を実現するための、国際レベルでの数か国による協力のきっかけになりうることを示しました。国際問題の専門家で、ロシア議会の元下院国家会議副議長のセルゲイ・バブーリン氏は次のように語っています。「現在、テロリストがシリアの多くの拠点を失っていることは、ロシア、イラン、そしてある程度まではトルコの努力によるものだ」
2016年12月、シリアの停戦を保障するイラン、ロシア、トルコの努力により、シリア人同士の対話の下地が整えられました。イランは、地域諸国の分割に反対しており、外交による対立の解消と問題の解決を訴えています。
数年前から、テロ組織が、西アジアの半分の安全保障を深刻な危機に直面させてきました。この中で、アメリカとイギリスなどのその同盟国は、地域の安全保障協力を困難なものにしています。イランは、建設的な協力により、テロをはじめとする共通の脅威に対抗することができると考えています。
残念ながら、一部の国は、テロ対策連合を名目に、テロと真剣に戦うのではなく、彼らを支援しています。しかし、暴力や過激主義といった問題の解決には、世界レベルで各国が建設的な協力を行うことが必要であり、暴力へとつながるルートが閉ざされない限り、世界の平和と安全に向けた明るい未来は描かれないのです。