週刊イラン
この1週間にイランで起こった主なニュースです。 イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、イスラムと西側における女性の地位について語りました。 核合意の実施やイランの地域政策を巡るアメリカの妨害が続いています。 ロンドンにあるイラン大使館が暴徒に襲撃されました。
イランでは先週、イスラムの預言者ムハンマドの娘、ファーティマの生誕日が祝われました。
この日はイランで、女性の日、母の日とされています。この日に際し、イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が演説を行いました。
ハーメネイー師は、先週木曜、預言者の娘ファーティマの生誕日を前に数千人の宗教詩人らと会談し、「西側当局の表明における性の平等といった問題の提起は、表面的なもので、現実味がない」としました。
ハーメネイー師は、この数ヶ月、西側の女性の有識者の多くがセクシャルハラスメントの被害を認めていることに触れ、次のように語りました。
「イスラムは、ヘジャーブによって、このような逸脱の扉を閉ざしている。そのため、イスラムのヘジャーブは、女性を守る手段になっている」
ハーメネイー師は、女性の文化やアイデンティティの独立の旗は、イラン人女性の手の中にあると強調し、次のように語りました。
「イラン人女性は、ヘジャーブを守ることによって、自分たちの文化やアイデンティティの独立を世界に輸出し、女性はヘジャーブと貞節を守りながら、男性に悪用されることを防ぎ、社会的なフィールドに積極的に参加することができるということを表明している」
ハーメネイー師は、家庭を侮辱し、性の平等、すなわち、男性が参加するあらゆる分野に女性も参加すべきであるように振舞うことは、女性という人格への侵害であり、裏切りであるとし、「女性は尊敬すべき存在であり、誰も、社会的、学術的に重要な立場や責務への女性の参加に反対していない」と述べました。
核合意の実施やイランの地域政策におけるアメリカの妨害という問題は、先週、フランス外務大臣のテヘラン訪問と同時に、政界やメディアの注目を集めました。これについて、ハーメネイー師は表明の中で、イランの地域への進出に反対するアメリカとヨーロッパの政府高官の発言について、次のように語りました。
「我々は地域に進出する上で、アメリカの許可を得なければならないのか。イランは地域に進出するために、地域諸国と協議する必要はあるが、その相手はアメリカではない。アメリカに進出しようとするときには、アメリカと話し合いをする」
ハーメネイー師は、地域への進出に関してイランと協議したいとするヨーロッパ政府高官に対し、同じ点を改めて強調し、「この問題はあなた方には関係がない」と語りました。
この1年、アメリカ政府は、何度か、国連安保理に再びイランの問題を提起しようとしました。しかし、そのたびに失敗しました。イエメンの国際政治研究所のラジェハ所長は、アメリカがイランに圧力をかける目的について分析し、次のように語っています。
「アメリカは、イエメン危機の勃発においてサウジアラビアの共犯者である。そのため、政治的な見世物を行うことで、サウジアラビアのイエメン侵略と封鎖を正当化しようとしている」
このような動きの中で、先週、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、エジプトのアラブ連盟の4者委員会は、イランを懸念の元凶であるかのように見せようとしました。
イラン外務省のガーセミー報道官は、アラブ連盟4者委員会の声明と核合意におけるイランの取り決め履行を巡る、根拠のない疑惑の投げかけや干渉を受け、「この声明でイランに関して語られている事柄は、完全に根拠に欠けた価値のないものであり、論理からかけ離れている。彼らにはこのような問題に関して発言を行う資格はない」と語りました。
ロンドン発行のアラビア語紙、ライアルヨウムは次のように報じました。
「シリアやレバノンの情勢におけるイランの役割への、シオニスト政権イスラエルや一部のアラブ諸国の緊張を生み出す敵対的な立場は、アメリカのイランに対する戦略と切り離して考えることはできない」
先週金曜、シーラーズィー派と名乗る人々が、ロンドンにあるイラン大使館を襲撃しました。彼らはこの行動の中で、イランの国旗や宗教的な価値観、神聖を冒涜し、反イランの風潮を作り出すために政治的な見世物を演じました。
この襲撃は、ロンドン警察による襲撃者の逮捕と、イギリス当局の謝罪によって幕を閉じました。しかし、この事件の本質やイスラムの逸脱したグループである彼らの目的は、完全に明らかです。この政治的な見世物は、サウジアラビアのジュベイル外務大臣が、以前、「イギリスの人々は、サウジアラビア皇太子のイギリス訪問を支持し、それに抗議すべきではない」と語っていた中で行われました。
イラン国会・国家安全保障外交政策委員会のジャマーリー副委員長は次のように語っています。
「このような動きと同時に、ムハンマド皇太子のロンドン訪問とイギリス政府高官のイランに対する厳しい頑なな立場、アラブ4カ国の会合、イギリスと完全に調和の取れたバーレーンなどの国々の立場表明と、最近のイギリスとアメリカの同調は、考慮に値する。特に、今回の事件を起こしたグループは、イギリスをはじめとする西側諸国のメディアやプロパガンダのすべての可能性を有している」
こうした中、イラン外務省のガーセミー報道官が強調したように、イランは、この問題を真剣に追求し、襲撃を行った人々が処罰されることを求めています。
IAEA国際原子力機関の天野事務局長は、先週、オーストリアのウィーンで開催された定例理事会で、核合意を壊そうとするアメリカの圧力に触れ、次のように語りました。
「核合意が破棄されれば、それは核の実態調査と数カ国の行動にとっての大きな失敗になる」
イランのローハーニー大統領は、先週、フランスのルドリアン外務大臣とテヘランで会談し、核合意は、核協議を行ったすべての国にとっての試練だとし、「核合意の維持は、外交と協議が、問題の解決に向けた最良の選択肢であることを世界に証明しており、その破棄は、政治的な協議が時間の無駄であることを意味する」と語りました。
フランスは、イランはミサイル計画に関する懸念に注目するか、新たな制裁の危機に直面するかだと語っています。しかし、イランのミサイル計画は、核合意に盛り込まれていません。イラン政府は、この計画の停止に向けた圧力に屈することはありません。イラン国家安全保障最高評議会のシャムハーニー書記は、ルドリアン外相との会談で、「我々のミサイル計画は、イランの防衛政策の一環であり、他国に対する脅威ではない」と強調しました。
国際関係の専門家、ファラジーラード氏は、次のように語っています。
「フランスのマクロン政権は、この問題に対して単一のヨーロッパ政策を進めようとしている。この中でフランスは、独自の行動を取ることができず、自分たちを現在の状況から切り離すことができない。フランスは、ペルシャ湾岸のアラブ諸国と調和を取らざるを得なくなっている。なぜなら、サウジアラビア、カタール、バーレーンといった国々への武器の売却は、フランスの重要な収入源のひとつだからだ」