週刊イラン
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、体制責任者を前に演説を行いました。
イラン、ロシア、シリアを軸に、地域でのアメリカの動きを分析します。
地域におけるアラブ連盟の政策や目的と、イランに対するサウジアラビアの根拠のない主張について取り上げます。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、先週、体制の責任者や関係者との会談で、体制責任者が、イスラムとイスラム体制の目的を堅持する必要性を強調し、重要な勧告を行いました。
この勧告には、重要な点が含まれています。
ハーメネイー師は、「イスラム体制は、唯一神の信仰や宗教法、公正、自由、独立などの重要な理想や目的をもとに誕生し、世界の通常の体制とは異なっている」と語りました。
イラン国民は、1979年のイスラム革命の勝利当初から、イスラム革命の価値観を支えにし、そのために、多くの脅迫や陰謀に晒されてきました。現在も、それは続けられています。このことから、ハーメネイー師は、これまでの経験を活用する必要性を強調し、革命の目標の堅持とその実現は、体制の責任者にとって、戦略的かつ不可欠な事柄だとしました。
ハーメネイー師はこれまで繰り返し、体制の責任者や関係者に対し、価値観や理想を堅持する必要性について勧告してきました。これらの勧告は、アメリカの策略への注意を怠らないこと、イランの力の要素を強化すること、敵の吹き込みを無視すること、防衛力を拡大し、抵抗経済を真剣に捉えることなどの重要な点を含んでいます。
現在、イランのイスラム体制の前には、大きな敵の陣営が存在します。彼らの目的は、イスラム体制を消滅させるか内側から弱体化させることにあります。そしてその目的のために、ソーシャルメディアや世論操作、文化的な影響力の行使など、あらゆる手段を用いています。この事実に注目し、ハーメネイー師は演説の中で、国内独自のソーシャルメディアの創設が、一般的な要求になっていることに満足の意を示し、次のように語りました。
「体制責任者は、国と国民のプライバシーや安全を保護する必要がある。国民の安全保障やプライバシーへの侵害は、イスラム法で禁じられおり、行ってはならない」
治安部隊の防衛力の維持と強化を続け、数々の成果を深めるといったことも、先週、ハーメネイー師が改めて強調した重要な点です。

ハーメネイー師は、先週日曜、治安部隊の上級司令官と会談し、力、安全保障、栄誉、しかるべき時の十分な能力を、治安部隊の最大の目的として挙げました。ハーメネイー師は、これらの目的の重要性を強調し、「現在は、イランのイスラム体制の栄誉の時代であり、イスラム体制に対する、現在の前例のない攻撃は、この体制が日々、力を増しているためである。敵は、この高まる力に危機感を抱き、攻撃を拡大している」と語りました。
アメリカは常に、イスラム諸国、特に独立諸国のモデルであるイスラム体制の力に反対しています。なぜなら、この力は、アメリカや、アメリカとつながりのある地域の傀儡政権の拡張主義や干渉の妨げになるからです。
イランのザリーフ外務大臣が、政治、経済高等使節団を率い、西アフリカのセネガルを訪問しました。ザリーフ外相はその後、南米のブラジルとウルグアイに向かいました。ザリーフ外相と経済代表団は、先週木曜、最後の訪問国であるナミビアを訪れました。
イランのヴェラーヤティ最高指導者国際担当顧問は、先週、パレスチナと聖地を支援する国際会議に出席するため、シリアを訪問しました。この訪問は、シリア政府軍が、東グータ地区でテロリストを掃討し、大きな勝利を収めた中で行われました。シリア政府軍の抵抗により、ダマスカス近郊には、7年ぶりに安全が確立されました。
イラクとシリアの抵抗陣営の勝利と、この2つの国におけるテロ組織の敗北により、アメリカは、戦争への干渉を合法的に見せるための下地作りに入りました。
この中で、今月14日、アメリカがシリアを空爆しました。
シリアのテレビ局は、14日、アメリカ、イギリス、フランスのシリア攻撃に対するテロと戦う陣営の抵抗に触れ、「シリアに発射されたミサイルのうち、少なくとも15発は撃墜された」と伝えました。
アメリカ、イギリス、フランスの、シリアの研究施設や軍事施設30箇所に対する空爆は、14日に調査団がダマスカス入りし、調査活動を開始する予定だった中で、行われました。
シリアのアサド大統領は、以前に、イランのヴェラーヤティ最高指導者国際担当顧問と会談した際、シリア攻撃の必要性に関するアメリカの脅迫に触れ、「抵抗陣営が成功や勝利を収めるたびに、西側諸国から声があがる」と語りました。アサド大統領は、「最近の西側の疑わしい行動は、戦場の関係をテロリストの優勢にするためのものだ」と述べました。

アメリカは現在、絶対的な敗北を前にしていることを悟り、そのために、何とかして、この危機が、ロシアや抵抗陣営の利益に終わるのを阻止しようとしています。しかし、彼らがそれに成功することはないでしょう。
ヴェラーヤティ顧問は、アメリカの直接の主導により、シリアの政府と国民に対する数十カ国の全面的な戦争が開始されてから7年が経過したとし、「現在、7年前に比べてシリアの力が弱まってもいなければ、アメリカの力が強まっているわけでもない」と述べました。
イラン国家安全保障最高評議会のシャムハーニー書記は、アメリカの一方的な行動と、シリアの主権や国際法の侵害の結果について警告し、「アメリカのシリアにおけるおろかな行動は、危険なゲームだ」と強調しました。
実際、イラン、ロシア、トルコの行動のイニシアチブは、ISISとの対抗と、政治的な解決策を見出すためのシリア人同士の対話の下地作りという2つの戦略的な目的を、順調に進めることにつながりました。明らかに、シリア政府が、ドゥーマを化学兵器で攻撃したとする主張は、アメリカにとって、単なる口実に過ぎません。
テヘラン大学の中東研究所の政治アナリスト、アーブシェナース氏は、スプートニクのインタビューで次のように語っています。
「アメリカとサウジアラビアの支援を受けたテロリストは、東グータ地区で敗北を喫した。これについて、アメリカとシオニスト政権イスラエルは、シリアのパワーバランスを崩そうとしている。アメリカはそのために、シリアでの化学兵器による攻撃を口実にして、攻撃の作戦を計画した」
イランに対する世論操作は、先週の、サウジアラビアのムハンマド皇太子によるフランス訪問での反イランの発言によって継続されています。ムハンマド皇太子は、フランスのマクロン大統領との会談で、根拠のない発言を繰り返し、イランをテロ支援で非難しました。
この主張は、アラブ連盟の外相会議でも続けられました。先週木曜に発表された、サウジアラビアのリヤドでの外相会議の最終声明で、アラブ連盟の外相らは、イランはアラブ諸国の内政に干渉しており、この行動が、地域の平和や安全を脅かしていると主張しました。
イラン外務省のガーセミー報道官は、この声明が、一部の誤った見解による敵対的なアプローチをもとにしていることに触れ、一部の国が、イランに対して誤った行動を継続し、無知によって敵対的な立場を取り続け、イスラム共同体の真の敵を忘れてしまっていることに遺憾の意を表明しました。