週刊イラン
(last modified Tue, 19 Jun 2018 08:27:09 GMT )
6月 19, 2018 17:27 Asia/Tokyo

この1週間にイランで起こった主な出来事です。

サッカーのワールドカップ・ロシア大会が開幕し、イランは初戦を勝利で飾りました。

テヘランで、イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が説教師を務める中、断食明けの祝祭の礼拝が行われました。

ハーメネイー師が、パレスチナ問題について語りました。

EUによる核合意維持の必要性に関する立場表明が続いています。

 

人類の幸福にとって大きな恩恵を伴うラマザーン・断食月が終わりました。断食明けの祝祭は、イラン国民にとって、別の喜びを伴うものとなりました。

サッカーのイラン代表が、ワールドカップロシア大会でモロッコと対戦し、1対0で勝利しました。15日金曜夜、この勝利を受け、イラン国民は大きな喜びに沸きました。

先ほども触れたように、断食明けの祝祭の日が訪れ、ハーメネイー師が説教師を務める中、この日の礼拝が行われました。

ハーメネイー師は、断食明けの祝祭の礼拝で説教を行い、アメリカのトランプ大統領の告白は、大悪魔があれほどの努力にもかかわらず、目的を達成することができていないこと、今後も地域にどれほど費用を投じようと、目的を達成できないことを示していると語りました。

 

ハーメネイー師は、悪魔の大国がイラン国民に対する陰謀を継続する理由は、彼らが、イラン国民の抵抗、力、独立、野心、イニシアチブを恐れているためだとし、「現在、敵の陰謀の中心は、イラン国民を疲弊させ、失望させるために、彼らに経済的な圧力をかけることにある」と語りました。

 

39年前の1979年2月、イスラム革命は、宗教、道徳、人間的な価値観に基づいた統治体制の新たなモデルを提示し、人々の誇りと覇権主義体制からの解放の新たな道を開きました。この大きな変化は、虐げられている国の人々にとって、今なお、模範になっています。

 

アメリカの言語哲学者、チョムスキー氏は次のように語っています。

「イランが独立を続け、アメリカの支配に屈しない限り、アメリカの敵対は続けられる」

 

 

アメリカの言語哲学者チョムスキー氏

 

ハーメネイー師は、先週日曜、学術機関や大学の研究者、教授ら数百人と会談した際、演説の中で、多くの国の国民の間におけるイランの高い地位に触れ、次のように語りました。

「イランは、高慢で価値のない政府の間に多くの敵を有しているが、地域の人々や多くの国にはたくさんの支持者と影響力を持っている。そのため、敵は常に陰謀を企てているが、神の恩寵により、彼らは今後も、イラン国民とイスラム体制に対して敗北を喫するだろう」

 

イラン国民、特に若者たちは、覇権主義大国の主張に反し、イランの現在と未来に希望を抱いており、多くの問題にも拘わらず、自分たちの能力や可能性を支えに抵抗しています。イランの発展は、この数十年に比べて称賛に値するものであり、間違いなく、イランの将来もまた、現在に比べてはるかに輝かしいものとなるでしょう。

 

ハーメネイー師が、イスラム体制の大きな目的を説明する中で、常に強調してきたように、イランは、イスラムの新たな文明の旗を掲げ、信仰と精神性に溢れ、栄誉を保ち、新たな主張を持つ発展した力強い国になるべきなのです。

 

ハーメネイー師は、断食明けの祝祭の礼拝で行った説教の中で、パレスチナ問題についても語りました。

ハーメネイー師はこれについて、シオニスト政権イスラエルによる、ガザとベイトルモガッダス・エルサレムでの犯罪に対するヨーロッパの沈黙を批判し、次のように語りました。

「我々は常に、パレスチナの歴史的な国家の統治体制を決定するためには、世界が認める方法により、世論の見解に訴え、この占領地の内外にいて、少なくとも80年はこの土地に暮らしたイスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒を含む、すべての真のイスラム教徒による国民投票を実施すべきだと訴えてきた」

 

ハーメネイー師は、断食明けの祝祭に際して行われた、イスラム諸国の大使との会談で、改めて、イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒を含む、真のパレスチナ人による国民投票の実施と、この投票によるパレスチナの統治体制の形成を強調し、次のように語りました。

 

「このような国民投票の実施とそれに基づくパレスチナ統治体制の樹立は、実際、シオニスト政権の消滅を意味する。これは必ず、それほど遠くない将来に実現するだろう」

 

ハーメネイー師

 

アメリカの核合意からの離脱は、国連、多極主義体制、国際社会全体の信用に疑問を呈するものでした。先週、EUのモゲリーニ外務安全保障政策上級代表は、核合意に関するEUの立場に変更はないとし、「アメリカの核合意離脱にもかかわらず、この合意を効果的かつ完全に実施するための努力は続けられる」と強調しました。

 

モゲリーニ上級代表は、「中国が主導する、イランのアラーク原子炉の改築プロジェクト、そして、ロシアが主導する、フォルド施設の核技術施設への変更プロジェクトは続けられる」と語りました。

 

核合意の実施は、核の取り決めとともに、経済面でも継続される必要があります。なぜなら、核合意の一部は、制裁の解除であり、それによって生まれた機会は、貿易の正常化に向けたものであるからです。この中で、イランとの核合意の実施に向けた努力が続けられています。アメリカの妨害にも拘わらず、核合意は国連安保理決議で承認された合意に沿って追求されています。

 

モゲリーニ上級代表は、これについて、六フッ化ウラン製造に関するイランの決定について、これは核合意への違反ではないとし、「それを国際社会の信用に疑問を呈するアメリカの行動に基づいて説明すべきだ」と語りました。

 

 

モゲリーニ上級代表

 

イラン原子力庁のキャマールヴァンディ報道官は、アラーク原子炉の建設に関する中国との協議について、「協議は計画に沿って、これまで順調に進められており、中国側は、最終合意の後、2か月から3か月以内に、アラーク原子炉の建設と機械の設置という次の段階に入ることになる」と強調しました。

 

中国はこれまで、取り決めの順守を強調しており、アラーク原子炉の建設に向けた強い意志を示しています。

 

イランは、最高の形で難民を受け入れており、さまざまな措置により、この40年近くの間、難民に対して大きな支援を行ってきました。先週、11か国の大使や外交団が、イランのケルマーン州を訪れ、難民への支援に向けたイラン政府の取り組みを実際に視察しました。

 

国連難民高等弁務官事務所の難民問題担当者は、「外交代表団のケルマーン訪問の目的は、難民支援に関するイラン政府の政策を示すことである」とし、「イラン政府は、難民問題の解決に向け、多くの資金を投じてきた」と語りました。

 

イランの政策は、テロ対策、地域諸国との協力による安全保障の強化、虐げられた人々への支援です。イランは、難民を支援するとともに、しかるべき受け入れ先となるよう努力しています。一方で、人権擁護を主張しながら、地域に直接、あるいは間接的に戦争を引き起こし、難民を支援する代わりに、彼らを人身売買の危険にさらしている国々が存在します。

 

 

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