ドキュメンタリー・イラン(20);ブーシェフル州のダシュテスターンのナツメヤシ園(日本語のナレーション付)
今回は、南部ブーシェフル州ダシュテスターン行政区、すなわちイランのナツメヤシ生産の中心地を映像と共にご紹介してまいりましょう。
ダシュテスターン行政区は、ブーシェフル州で最も大きく、また最も多い人口を擁しており、この地域の最も重要な農産物の1つはナツメヤシです。
この町の見所の1つは、地面にしっかりと根を張っている、背の高いナツメヤシの生えた広大な平原であり、毎年多くの観光客がここを訪れています。
ナツメヤシの木は、強い日差しが長時間照りつける熱帯気候区域の元で良好に生育し、実をつけます。
ナツメヤシは、一般的に熱帯地域や沿岸地域de成育し、イラン北部の沿岸地域に生育するナツメヤシは装飾用deすが、イラン南部のような熱帯地域に生育するナツメヤシの果実は食用となります。
ナツメヤシの木は、高さが15メートルから20メートルほどになり、樹齢は100年もしくは、それ以上に及ぶこともあります。
ナツメヤシが、イスラムの聖典コーランにおいて他のどの種の樹木よりも多く出てくることは注目に値します。また、その他の多くの伝承においても、コーランにナツメヤシがよく出てくることは、この樹木の重要性や神聖さを示すものだとされています。
ナツメヤシは、栄養価が非常に高いことに加えて、その果実からエキスを抽出したり、さらにはその枝の中間繊維を利用してロープを編んだり、またかごやざるなどの生産にも利用されています。
また、農業関係者は幅のあるしっかりしたナツメヤシの葉で日よけを作り、夏の厳しい暑さを回避します。
ナツメヤシの一生は、人間の一生にいくらか類似しており、16歳ごろに成熟し、生殖できるようになるといわれています。
また、ナツメヤシの頭部には人間の脳に相当する物質が存在し、植え替えなどの移動の際にここが衝撃を受けると枯れてしまいます。
さらに、その他に注目すべき点として、ナツメヤシは枝葉を切るとさらに多くの枝葉が生えてくること、先に述べた脳に相当する部分を切断すると、その樹木は枯れてしまうことが挙げられます。
そして、何よりも興味深いのは、ナツメヤシのそれぞれの個体には相互に対する求愛感情があり、こうした性質も人間とよく似ています。
ブーシェフル州の魅力の1つはパルディース山であり、ここはザグロス山脈の起点でもあります。この山脈には、際立った峰が1つあり、その脇には人為的な開発の及んでいない丘陵と洞窟があります。
研究者らの間では、パルディース或いはパーラーディースはゾロアスター教の聖典アヴェスターに出てくる天国をさすといわれています。
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