視点;選挙ーイスラム共和制における国民と政府当局者との絆の具現
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イランにおける選挙
今月21日、第11期イラン国会選挙および、イラン最高指導者を選出する機関である専門家会議の第5期第1回中間選挙が実施されます。
イランのイスラム共和制においては、選挙が憲法の一原則として強調されています。これに基づき、国民投票の実施により実現したイスラム共和制の発足当初から、何回にもわたってイランでは選挙が実施されています。
1979年4月1日に実施された国民投票は、イランの政治史上でも稀な、革新的かつ平穏な政治参加の実例の1つとされています。この国民投票で、イラン国民の98%以上がイスラム共和制に賛成票を投じました。
イランイスラム共和国憲法によれば、国民は直接あるいは間接的な投票により、大統領選挙、国会(議員)選挙、市町村議会(議員)選挙、専門家会議選挙という4種類の選挙において、国家や社会の行政およびその将来の決定に参加するとされています。
イランの選挙は、世界のそのほかの国の選挙と比較して有権者の投票率が最も高い部類に入り、第8期大統領選挙での投票率は66.6%、第9期は62.8%、第10期に至っては85%という高い割合を示しています。
イラン国民は、国会(議員)選挙にも常に積極的に参加しています。イランでの国会議員選挙での平均投票率はおよそ55%とされ、第5期選挙では非常に大きな投票率の伸びが見られ、71%にまで達しました。
また、第6期国会議員選挙での平均投票率は67.35%、第7期には51.21%、第8期には55・4%、第9期には64.2%という高い数字となっています。第10期選挙でも、有権者の64%が投票に参加しました。
これらの統計は、これらの選挙のすべてにおいて、一部の外国による否定的な宣伝報道や戦争、テロ、経済的圧力といった諸問題にもかかわらず、国民の投票率が有権者の50%を上回っていた事を物語っています。
この点から、イランは地域諸国と比較して政治の体制化において傑出しているといえます。
2020年においても、イランでは第11期国会選挙および専門家会議の中間選挙が控えており、これらの選挙は今月21日に実施が予定されています。
これらの指標は、特に西アジアにおいて選挙の実施や国民の投票権が今なお大きな課題となっていることを考えたときに、特に明白なものとなります。
西アジアの多くの国では基本的に選挙というものが行われないか、もしくは選挙の実施により国民としてしかるべき権利が実現されないという統治プロセスがまかり通っている一方で、イランでは選挙が既に定着しているのです。例えば、事実上国王が政権を掌握し、統治の役割をも担っているサウジアラビアやアラブ首長国連邦、カタール、ヨルダンといった国々は、選挙という枠には収まらず、国民は人材の選抜や解任、さらには批判に関して何の役割も持っていません。
これらの国での女性に対する差別的な扱いも、人権機関の間で取りざたされる課題となっています。ペルシャ湾岸諸国の世襲制首長による統治体制は、国民をそもそも重視しておらず、王家や部族rに属していることが合法性の証となっています。
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