イスラエル占領地からの出域者数が過去最多を更新、1年間で8万3000人に
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イスラエル占領地からの出域者数が過去最多を更新
シオニスト政権イスラエル統計センターの公式データによりますと、過去2年間でイスラエル占領地に入ってくるユダヤ人移民の数が減少している一方、対照的に占領地からの出域傾向は前例のないほど急増しています。
イスラエル統計センターの公式データによれば、2023年10月7日のパレスチナによる対シオニスト攻撃「アクサーの嵐」作戦後、イスラエルの人口動態計画は前例のない衰退期に入っています。つまり、占領地に入ってきたユダヤ人移民は過去2年間で減少している一方で、逆移住すなわち占領地からの出域者数は前例のない規模で増加しています。
【ParsToday西アジア】これらの統計によりますと、2022年に約7万5000人だった占領地への新規移民数は、2023年には4万7000人未満にまで減少し、この減少傾向は2024年も続いて、その数は3万1000人にまで減少しました。これは、ガザ紛争の初年度は38%、2年目にさらに33%の減少となっています。
アナリストらは、この傾向はガザ紛争による安全保障上、心理的、そして社会的打撃の直接的な結果であると見ています。この打撃は、ここ数十年にわたる占領地向け移民の波の主な原動力となってきた「安全なイスラエル」のイメージに疑問を投げかけているのです。2022年まで移民全体の最大の割合を占めていたロシア系、ウクライナ系、そして西側系のユダヤ人でさえ、今や占領地への移住を断念する事態となっています。
逆移住:歴史に残る記録から大量流出へ
一方、イスラエル占領地から占領地外への移住は2024年に8万3000人に達し、ここ数十年で最多を記録しました。一方、2010年から2020年までの期間におけるこの数字の平均は、わずか約4万人にとどまっています。
最初の脱出の波はガザ紛争の初年に発生し、この年は5万9000人が占領地から出域しました。この傾向は2025年半ばの対イラン戦争後に加速し、数千人がキプロスやギリシャへと向かっています。去る6月から8月の間だけでも、占領地からの月間脱出者数は7000人から1万人以上に急増しました。
専門家らは、この流出の波の大半が先端技術、医学、工学分野のエリートや専門家で構成されていると強調しています。
この逆移住現象は人口動態上の影響に加え、イスラエルの経済基盤に深刻な打撃を与えています。それは、占領地を去ったこれらの人々の層は収入を生み、革新的で、主要な納税者層であると考えられており、彼らの出域は占領地内の生産と投資の原動力の重要な部分を空にすることを指すからです。
信頼とアイデンティティの危機
イスラエル人アナリストらは、この傾向を軍事的脅威よりも深刻な脅威だとみなしています。世論調査によれば、イスラエル市民の4分の1、特に若者が占領地外への移住を真剣に検討しています。さらに、超正統派ユダヤ教徒と世俗派ユダヤ教徒の間の溝が拡大しており、司法制度の危機および、ネタニヤフ・イスラエル現政権に対する抗議活動が継続的に発生していることから、占領地の将来は益々先行き不透明となっているのです。
逆行するプロジェクト
これらの現象は、ユダヤ人移民プロジェクトがイスラエルの戦略的弱点となっていることを示しています。進行中のガザ紛争、経済の衰退、そして「無敵のイスラエル」という神話の喪失により、この傾向は一時的な症状ではなく、今や構造的な現実となっているのです。また、この現実は人口動態の将来のみならず、シオニストが思惑とするプロジェクトの存在意義にも疑問を投げかけています。

