EU上級代表のイラン訪問
(last modified Sat, 16 Apr 2016 11:09:01 GMT )
4月 16, 2016 20:09 Asia/Tokyo
  • EU上級代表のイラン訪問

EUのモゲリーニ外務安全保障政策上級代表が、政治経済使節団を率いてテヘラン入りしました。

モッラーイー解説員

モゲリーニ上級代表の2日間のテヘラン訪問の中で、欧州議会のメンバーやEU関係者が同行しています。

モゲリーニ上級代表は核協議の中で、イランと6カ国の間の調整役として、核問題の対立を解消するため、幅広い努力を行ってきました。モゲリーニ上級代表がイランとEUの関係改善を目的として、イランを訪問したのは今回が2回目であり、同氏は昨年の夏にもイランを訪問していました。

今回のモゲリーニ上級代表の訪問の中で、テヘランにおける常駐のEU外交代表部の開設について、話し合いが行われます。また、シリア危機も、イランの政府関係者とモゲリーニ上級代表の間での中心議題の一つとなります。モゲリーニ上級代表は、この訪問の中で、ラーリージャーニー国会議長、国家安全保障最高評議会のシャムハーニー書記、公益評議会戦略研究所のヴェラーヤティー所長とも会談を行う予定だと伝えられています。

モゲリーニ上級代表は、イランの政府関係者との会談の第1段階で、イランのザリーフ外務大臣と会談しました。ザリーフ大臣はこの会談の終わりに、「イランとEUの原子力、民間、エネルギー、学術や研究における協力に関する、4つの共同声明が発表される」と語りました。ザリーフ大臣はまた、EUの政治的、経済的利益は、イランとの核合意の実施や、核合意における協力を行うことにあるとして、確信を表明しました。さらに、「今日、イランとEUの関係が真剣なものとなり、その協力の結果、イランとEUの人々にとっての共通の利益と、国際的な発展が伴うことになる」としました。

ザリーフ大臣とモゲリーニ上級代表は、核合意の実施を関係の新たな時代の始まりとして歓迎するとともに、核合意の取り決めの完全な履行を強調しました。双方はまた、核合意の実施、経済成長や人々の幸福を促進する協力の拡大、地域の平和と安全の確立、対立の平和的な解消を、共通の目標だとしました。さらに、協力の促進や、イランの法律に基づいてEUの外交代表部の開設の準備を整えることに合意し、これに関して、関係チームがテヘランに派遣されることになります。

また、閣僚レベルでの年次の政治会合や、定期的な高官による会合についても、ザリーフ大臣とモゲリーニ上級代表の間で話し合われました。経済協力に関しても、双方は金融・銀行協力、テロ組織への資金提供と資金洗浄への対策を強調しました。さらに、貿易協力についても、使節団の派遣、契約におけるひとつの法的な枠組みへの到達、イランのWTO加盟に向けたEUの協力も、強調されました。