イメージが語るイラン
イランにある世界最古・最大のカナート、ゴナーバードの古代地下水路
イラン北東部ホラーサーネ・ラザヴィー州ゴナーバードにある地下水路は、世界最古かつ最大のカナートで、その歴史は古代時代にまでさかのぼることができます。
ゴナーバードの街にあるカナート(地下水路)は、現在も見ることのできる、人の手で作られた驚くべき設備のひとつです。このカナートは、暗くて深い数千の細部に分かれており、古代イランの建築家たちは、それらを美しく飾りました。このカナートは、単に世界最大というだけでなく、ゴナーバード唯一の新鮮な水が流れ出る水源となっています。この街の荒涼とした地区には、このカナート以外に泉や川が全くありません。カナートがこの街の発展の基盤となり、ここをホラーサーン地域で最も往来が多い主要な街のひとつに成長させました。
このカナートは、アケメネス朝時代から現代に至るまで、砂漠の街であるゴナーバードにおける生産活動と暮らしの原動力になっており、ユネスコの世界遺産にも登録されました。この水路の全長は3万3113m、つなげられた井戸の数は470、中心の井戸の深さはおよそ280~300mにおよびます。
井戸の口の周辺に散らばる陶器のかけらは、ゴナーバードの街の連なりが実のところ、アケメネス朝時代に掘られたこのカナートの元々の主要路であることを示しています。カナートの枝分かれした水路は、干ばつの時にそれに繋がる形で作られていったものなのです。
ナーセルホスロー・ゴバーディヤーニーは、このカナートについて記述した最初の人物です。彼は自分の旅行記の中で、水路の井戸の深さが700ギャズ(1ギャズ=約95㎝)、長さは4ファルサング(1ファルサング=約6㎞)であるとし、ここを神話時代のケイホスロー王に結びつけています。