視点
故ソレイマーニー司令官テロ暗殺における米の犯罪の新たな側面の発覚
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故ソレイマーニー司令官
ニュースサイト・「ヤフーニュース」がある記事において、昨年1月にアメリカが行ったイランイスラム革命防衛隊ゴッズ部隊の故ソレイマーニー司令官のテロ暗殺作戦についての更なる詳細を発表しました。
この記事においては、問題のテロ作戦へのアメリカ陸軍の対テロ特殊部隊・デルタフォースの参加といった、この犯罪行為の新しい数々の側面が詳細に述べられています。
もう1つの点は、このテロ行為にシオニスト政権イスラエルの複数の情報機関が密接に関与、参加していたことです。
この記事ではまた、このテロ作戦が今後数年の間に、バイデン現米大統領率いる米現政権の西アジア地域における戦略的状況に影響を与えるだろう、とされています。
ヤフーニュースの記事は、現役およびすでに退いた元米国当局者15人へのインタビューに基づくもので、これは故ソレイマーニー司令官の暗殺の新たな詳細、さらにはソレイマーニー司令官、ほかのイラン政府高官たち、彼らの支持する諸勢力に対するテロ行為をめぐる、長期的に見たトランプ前政権の評価を明らかにしました。
この情報は、これらの作戦が考えられていたよりももっと込み入ったものであり、彼らがテロの標的とする可能性ありとした人々のリストがさらに膨大なものだったことを示しています。
クリストファー・ミラー米前国防長官代理は、「仮に目的が緊張の扇動でなかったとしても、実際にこの作戦は1人の軍高官の暗殺以上に野心的な作戦だった。米軍が殺害を計画していた人々の完全なリストが存在していた」と語りました。
当時米大統領だったドナルド・トランプ氏は、甚大な犯罪と呼べる行為に走り、ソレイマーニー司令官とその同行者らの暗殺命令を出しました。
ソレイマーニー司令官とイラク民兵組織ハシャドアルシャビのアルムハンディス副司令官は昨年1月3日、イラク首都バグダッドの空港付近で、米侵略テロリスト軍の空爆により非業の殉教を遂げています。
ヤフーニュースの記事における重要なポイントは、ソレイマーニー司令官のテロ暗殺が計画された時期がトランプ前米政権時代初期にさかのぼる、と説明されている点です。2017年にマイク・ポンペオ氏はCIA米中央情報局長官に就任した後、彼は、CIAの各下部組織の指揮者グループとの会議を招集し、ソレイマーニー司令官の暗殺について作戦を練りました。
また同年、ポンペオ長官は国家安全保障会議においても、イラン軍の最上級幹部らのテロ暗殺を、潜在的な戦略の一部として提起しています。
続けてこの記事では、「ホワイトハウスでのソレイマーニー司令官テロ暗殺に関する議論は2018年の夏に始まっており、これは米国政府が核合意から離脱し、イランに対する最大限の圧力行使戦略の一環として、対イラン制裁の再発動を公式に発表したのとほぼ同時期にあたる」としています。
これらの新たな情報は、トランプ前米政権がソレイマーニー司令官テロ暗殺決行のかなり前から、このことを思索していたことを裏付けています。
しかもそれに加えて、アメリカはテロ行為でより多くのイランの軍司令官を標的にしようとしていました。
重要な点は、この犯罪行為を正当化すべく、アメリカが口実として、「ソレイマーニー司令官は、米軍基地やアメリカ人に対する攻撃の計画をたてる目的でイラク入りしており、アメリカの空爆も先手を打ってのものだった」と主張していることです。しかしこうした中、イラクの政府高官らはこの主張を否定しています。
当時イラク首相だったアブドルマハディ氏は昨年1月5日、同国議会において、「ソレイマーニー司令官は、イランのメッセージをサウジアラビアに伝えるためにバグダッド入りしていた」と表明しました。
かくして、アメリカの主張が虚偽であったことは完全に明らかになっています。実際に、トランプ前米政権は2018年以降、ソレイマーニー司令官暗殺を目論んでおり、そのための隙をうかがっていました。トランプ前大統領の軍事・安全保障担当補佐官らの視点から見て、テロ組織ISISとの戦いで中軸的な役割を担う重要人物であり、かつ西アジアにおけるアメリカの目的達成にとっての深刻な障害たる人物であった、このイランとイラクの両司令官が同時にバグダッドにいたことは、逃してはならないチャンスであり、こうしてアメリカはこれらの司令官らに対する卑怯な攻撃をもって大罪を犯したのです。
しかし、ヤフーニュースでも述べられているように、米国防総省とCIAの幹部らは、ソレイマーニー司令官のテロ暗殺の結果に関して、強い懸念にかられていました。実際に、イランはアメリカへの報復作戦・「強烈な平手打ち」の第一段階の一環として、イラクにあるアサド米空軍基地に報復攻撃することで、アメリカの犯罪行為に対抗する上で必要な力や勇敢さを有していることを示して見せたのです。
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