イメージが語るイラン
世界で最も古いキリスト教会、ガラ・ケリーサー
イラン北西部の西アーザルバーイジャーン州に建つガラ・ケリーサーは、世界で最も古い聖堂のあるキリスト教会として歴史的重要性を持っています。
ガラ・ケリーサーは、キリスト教十二使徒の一人である聖タダイ(タデウス)が埋葬されているとされていることから聖タデウス修道院とも呼ばれ、「イランのアルメニア人修道院建造物群」を構成する1つとして世界遺産に登録されています。
一部の人々は、ガラ・ケリーサーは「大きな教会」という意味だと解釈しています。「ガラ」はトルコ諸語のアゼリー語で「大きい」を意味する単語ですが、一方で「黒い」という意味もあり、建材に黒い石が使われていていることから、その名は「黒い教会」という意味にも取ることができます。
ガラ・ケリーサーの建造は、キリスト教初期に遡ります。
この教会の最も重要な特徴のひとつには、イランの大詩人フェルドウスィーの英雄叙事詩『王書』に出てくる物語の内容を扱った、美しい装飾が挙げられます。また、装飾の技術やその割合の点から見れば、ガラ・ケリーサーは具象芸術をふんだんに盛り込んだ最も希少な例のひとつとなります。その壁のレリーフなどは、熟練の職人が丹精込めて刻んだ、均整のとれた繊細な美の極みといえます。
ガラ・ケリーサーの総面積は、高い塀、塔、張り巡らされた城壁などを含めて6285平方メートルであり、アルメニア・エチミアジンにある教会群と非常に似通ったつくりになっています。敷地内は、削り出しの黒い石が使われた古い部分と、白い石が使われた新しい部分の2つに分けられ、24メートルおよび18メートルの美しいふたつのドームがあるほか、周辺には礼拝所も44か所あります。
ガラ・ケリーサーには、東側および西側の庭、修道士、学僧、研究者、物書き、教会・図書館の警備員などの使う47の居室などから成るスペースが付属しています。これに加えて、居室下の小さな地下室や、食事室と見られる小さな広間、調理室、製粉室、搾油室、食糧保管庫のほか、西側の庭の端にもいくつかのスペースがあります。
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