国際ニュース|イランがカスピ海における地域協力の発展に注力/NATO、ロシアの新型ミサイルについて警告
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アラーグチー・イラン外相が同国の外交政策の主要な優先事項として、カスピ海沿岸諸国との多国間関係の拡大と、同地域の経済、エネルギー、観光分野での潜在的可能性の活用を挙げました。
(last modified 2025-11-19T08:25:36+00:00 )
11月 19, 2025 14:30 Asia/Tokyo
  • 「空飛ぶチェルノブイリ」:ロシアの射程距離無限小型原子炉搭載巡航ミサイル「ブレヴェスニク」
    「空飛ぶチェルノブイリ」:ロシアの射程距離無限小型原子炉搭載巡航ミサイル「ブレヴェスニク」

アラーグチー・イラン外相が同国の外交政策の主要な優先事項として、カスピ海沿岸諸国との多国間関係の拡大と、同地域の経済、エネルギー、観光分野での潜在的可能性の活用を挙げました。

ユーラシア地域では最近、外交と安全保障をめぐる数々の動きが見られました。イラン北部で初のカスピ海沿岸諸国州知事会合が開催される一方で、この地域の西部ではロシアの新たな軍事力に対する懸念が高まっています。

【ParsTodayイラン国際】このニュースでは、この広大な地理的範囲における最も重要な政治、経済、安全保障上の出来事を取り上げていきます。

 

イランの優先課題:カスピ海、友好と発展の架け橋

イランのセイイェド・アッバース・アラーグチー外相は、同国北部ギーラーン州の中心都市ラシュトで開催された第1回カスピ海沿岸諸国州知事会合において、「イランの主要な優先課題はカスピ海沿岸諸国との多国間関係の拡大である」としました。また「カスピ海流域の重要性はペルシャ湾に匹敵する」とし、政治、経済、社会、文化、安全保障分野での近隣諸国との関係発展に向けた包括的な計画の重要性を強調しています。さらに、輸送や観光分野でのイラン北部諸州の可能性や能力に言及し、これらの地域がカスピ海沿岸諸国の観光目的地となるよう期待感を表明しました。

 

カザフスタンとの文化・経済関係の強化

イラン北西部・東アーザルバーイジャーン州当局が、中央アジア・カザフスタンとの文化的共通点の強調と強化を求めました。同州のモルテザー・モハンマドザーデ政治・社会担当副知事は、新任のラスール・エスマーイールザーデ・ドゥザール在カザフスタン・イラン文化参事官との会談で、カザフスタン国民に東アーザルバーイジャーン州の文化を伝える必要性を強調し、同州の中心都市タブリーズの歴史的潜在力を比類のないものだとしています。エスマーイールザーデ参事官も「カザフスタンの文化、芸術、文学はイランの文化・文明の強い影響を受けており、共通点を見つめることで経済関係も見極められる」と語りました。

 

ウズベキスタン、対アフガン電力輸出へ

もう一つの重要な地域情勢として、ウズベキスタン首都タシケントにて、同国のジュラベク・ミルザ・マフムドフ・エネルギー大臣とDABSアフガニスタン電力会社のアブドゥル・バリ・オマール社長が、2026年の電力輸出に関する協定に調印しました。この調印式では、アフガン国民の福祉支援と経済発展、そして二国間協力の強化が強調されています。両者はまた、アフガンにおける高圧送電線や変電所の建設を含む、主要なエネルギープロジェクトの実施状況を確認しました。

 

NATOが警告:ボロストニクは制御不能な脅威

NATO北大西洋条約機構の機密文書によれば、ロシアは核動力を搭載した巡航ミサイル「ブレヴェスニク」の開発を完了しました。NATOは、このミサイルの射程距離がほぼ無制限であること、高い機動性、そして防衛システムの回避・迂回飛行能力に注目し、「ブレヴェスニク」を欧州の安全保障に対する前例のない脅威とみなしています。このミサイルは、搭載されている核動力により、数万キロメートルの飛行が可能となっています。しかし、亜音速ミサイルであること、そして技術的・環境的リスクがあることから、一部の専門家はこれを「無用な兵器」あるいは「空飛ぶチェルノブイリ(ウクライナ語読み;チョルノービリ)」と呼ぶ。NATOはまた、ロシアが別の新型中距離弾道ミサイル「オレシュニク」を開発したことも報告しており、その射程距離は最大5500キロメートルと推定されています。

ユーラシア地域で同時進行する複数の情勢変化は、多面的な様相を呈しています。イランが積極的な外交活動を通じて自国内の東部と北部における経済・文化的な機会を積極的に追求している一方で、地域西部では安全保障と軍備競争により、懸念と情勢不安が生じています。この二つの潮流の相互作用、あるいは対立は、地域の地政学の将来を決定づけることになると思われます。

 


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