ウィーン協議最新情勢
イランと5ヶ国による核合意を巡る国連安保理決議2231の実施プロセスに関する国連事務総長の12回目の報告を検討する安保理通常会合が、米ニューヨークの現地時間の14日火曜、開催されました。
イルナー通信によりますと、この安保理会合は今月9日にオーストリア・ウィーンでイランと5カ国グループの協議の新ラウンドが開催されて以来の開催となります。
国連のグテーレス事務総長は、対イラン制裁解除を定めた安保理決議2231の実施プロセスを歓迎し、アメリカによる一方的な核関連の対イラン制裁の解除と、イランが核合意による経済的利益にあずかれることを求めました。
イルナー通信によりますと、グテーレス事務総長は先週、安保理決議2231の実施状況に関する12回目の報告書を同理事会に提出し、14日火曜の会合で検討されました。
グテーレス事務総長はこの報告書の中で、核合意をめぐるここ数年の困難に触れ、それでもなお核合意がイラン核問題を解決する最良の選択肢・多国間外交であるとしました。
また、核合意関係国がそれぞれの責務復帰をめざして開かれている核合意合同委員会(オーストリア・ウィーン協議)を歓迎し、関係各国が歩み寄って成果の得られる協力をするよう求めました。
グテーレス氏は最近の他の同様の報告でも、アメリカによる一方的な対イラン核関連制裁の解除と、イランが核合意による経済的利益にあずかれる必要性を強調し、イランの石油関連の制裁解除は核合意復活プロセスを円滑化すると特別な表現で述べました。
一方、タフテラヴァーンチー・イラン国連大使は、「ウィーン協議は真の政治的意志と誠実さに基づく交渉を通じてのみ成功しうる」と述べています。
また、「米国とEU・欧州連合は今、自らの責任を果たし、核合意内の責務の完全履行に復帰すべきだ」としました。
ウィーン協議でのロシア代表を務める、在ウィーン国際機関のウリヤノフ・ロシア常駐代表もヨーロッパの立場表明を批判し、この協議でのヨーロッパの立場は驚くべきものであり、あたかも彼らは初めて交渉の席に座ったかのようである、と強調しています。
なお、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン外相は14日、対イラン制裁解除に関するウィーン協議について、「この協議が成功し、当事者双方が包括的かつ長期的な核合意に達することを期待している」と述べました。
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