視点
ウィーンでの核合意合同委員会の開催、交渉のベースとなるイランの2つの提案文書の受容
-
ウィーンでの核合意合
核合意の復活を目指す第7回オーストリア・ウィーン協議内における、第4回核合意合同委員会会合が17日金曜、開催されました。
ウィーンからの報道によりますと、この協議の参加関係国は見解の一致に近づいているということです。
イランの首席交渉官であるバーゲリーキャニー外務次官が17日金曜に、ウィーンでのP4 + 1グループ(ドイツ、フランス、英国、ロシア、中国)との会談の結果について述べたことは、極めて注目すべきものです。
バーゲリーキャニー次官は、「制裁解除と核問題という2つの主要な文書において、相手側はイランの見解を対話の基礎として受け入れた」とし、同時に「協議の中断はイランの要請ではなかった」と述べた上で、「合意成立の速度は相手側次第だが、相手側がイランの論理的な見解や立場を受け入れれば、新ラウンド交渉は最終交渉となり、最短期間で合意に到達しうる」と語りました。
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相も先週、グテーレス国連事務総長との電話会談で、「西側の率先的行動の欠如は、交渉進展の減速の原因の1つとなっていると考える」と述べています。
ここで忘れてはならないのは、ウィーン協議の第6ラウンドと第7ラウンドの間に、欧州の関係国が何度もメッセージの中で、交渉を進め、対立を減らすための新しい構想を有していることを表明したものの、協議開始後に核合意の枠組み外の立場を示し、アメリカに違法な制裁や最大限の圧力行使政策をやめて過去を償うプラスの足がかりを踏み出すよう求めず、イランに対するはぐらかしを行っていることです。
この数年間、米国の行動により、核合意は、イランにとっての経済的利益という点で、中身のないものとなっていました。その一方で、ヨーロッパの関係国は実践的でない約束をもって、イランに自制や忍耐を勧告していました。
米国とともに交渉環境の険悪化や曖昧化に関与してきた欧州のトロイカ(英国、フランス、ドイツ)は現在も、イランに自らの最大の要求を呑ませるべく、期限設定によりイランに圧力をかけるという戦術に訴えています。ウィーン協議の第7ラウンドの開始とともに始まった動きや世論操作から、ある勢力・潮流があらゆる手段を駆使して交渉の雰囲気を破壊しようとしていることが明らかになっています。
トルコのある政治評論家は、イランが合意を遵守しており、かつ同国の核計画がIAEA国際原子力機関の監視下にあることを指摘した上で、「イランに対しこれほど頭痛の種を生み出すという行為は、完全に政治的なものだ」と語っています。
政治評論家の見解では、技術的措置や真剣な交渉、そして交渉における提案の提出は、ウィーン交渉の第7ラウンドの開始以来イランによって取られた重要なステップだと言えます。
一方、テヘラン西部キャラジ核施設への監視カメラ設置にイランが同意したことは、同国が交渉中の信頼構築プロセスにおいてIAEAと良好に協力していることを示すものです。
しかし、ヨーロッパの相手国の立場や、複数の視点における予想外の変化およびアプローチの変動を考えると、交渉の将来をまだ確実には予測できないと言えます。ここで強調すべきことは、交渉の進捗は相手方の意志と善意にかかっているということなのです。
ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。
https://twitter.com/parstodayj