イラン外相、「ウィーン協議の残る課題は西側の姿勢次第で解決可能」
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、EUのボレル外務・安全保障政策上級代表と電話会談し、「オーストリア・ウィーン協議で残っている一部の課題は、西側が現実的な姿勢になれば解決可能で、最終合意に到る」と述べました。
イランに対する圧制的で違法な制裁の解除を目指すオーストリア・ウィーン協議の第8ラウンドは、各国が政治的決断を下すための中断を経た後、今月8日に再開されました。
ウィーン協議はイラン代表団の率先的な姿勢により前進しましたが、アメリカをはじめとする西側諸国が、トランプ前政権による違法な措置の補償に難色を示し、「最大限の圧力」政策を継続していることから、制裁解除に対するこれらの国の真剣度に疑問符がつき、協議が長期化する原因となりました。
イランは責任を果たす国として、アメリカが核合意に違反した側であることを考慮すれば、制裁解除により核合意に復帰すべきはアメリカであり、同国の責務履行は検証されるべきだと繰り返し主張してきました。
イルナー通信が26日土曜、伝えたところによりますと、イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、ウィーン協議の調整役を務めるEUのボレル外務・安全保障政策上級代表と電話会談し、同氏とエンリケ・モラEU上級代表の努力に謝意を表明し、イランが確実に選択する事柄はレッドラインを越えないことである、と強調しました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相は、イランが良い合意を成立させるための用意があることに触れ、交渉相手国が政治的決断を下すことの必要性を強調した上で、「イランは良い合意を追求しているが、あくまで国益の枠内で自らのレッドラインを守った上で協議の席についている」と述べました。
これに対しボレル上級代表は、これまでのウィーン協議の直近の経過を振り返りながら、「ウィーン協議は重要な段階に到達しており、全参加国の真剣な決断が必要だ」と述べました。
また、ウクライナ危機が世界およびヨーロッパ政治において深刻な影響をもたらすとしました。
ロシアのプーチン大統領は今月21日、西側がロシアの安全保障上の懸念に無頓着なことを批判した上で、ウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両地域の独立を承認しました。
そして24日未明には、テレビ演説においてロシアがウクライナ東部で「特殊軍事作戦」を行っていると発表し、ロシア政府の目的はウクライナの非武装化であり、同国の領土占領の意図はないと説明しました。