視点
西側の人権ダブルスタンダードに対するイランの批判
イラン司法府人権本部のガリーブアーバーディー書記は、一部の西側諸国による人権のダブルスタンダードを批判し、人権が政治的道具になることがあってはならないと述べました。
ガリーブアーバーディー氏は2日水曜、スイス・ジュネーヴで開かれた第49回国連人権理事会の傍らで、ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官と会談し、同理事会のイラン担当報告者が事実に反した報告をすることで、事実上政治的道具と化しており、報告書に課せられたあらゆるルールを超脱して、自らの責務とは根本的に異なる領域に足を踏み入れていると述べました。
国連人権理事会は第46回会合期間中の昨年3月23日、パキスタン系英国人のジャーヴィード・ラフマーン氏のイラン担当報告者としての任期を1年延長しました。ラフマーン氏は最近の報告の中で、これまでのように反イラン的主張を繰り返し、イランを人権侵害国としています。
人権とは、仮にそれが独立国に対する圧力行使としての道具として利用されなければ、世界の人々の生活状況の改善に寄与しうるものですが、ここ数十年、この人権というテーマは常にアメリカなどの西側諸国により悪用され続けてきました。これらの国々は、政治的でダブルスタンダードな対応で、自らの要求をイランのような他国に押し付けるための道具として人権を利用してきました。
イランが、人権尊重と建設的協力や対話にもとづいたメカニズムを通じた国際的責務の履行水準の点で地域において高い地位にあることは誰の目にも明らかです。しかし、こうした中でイランの人権状況について懸念が表明されているのは、イランの敵による世論操作と不正なやり方の繰り返しの試みであると言えます。
むしろアメリカを筆頭とする西側諸国こそ、最大の人権侵害国です。こうした国々が、シリア、イラク、イエメン、その他世界各地における戦争でテロ組織を支援し、パレスチナ国民の人権・法的権利に対してシオニスト政権イスラエルを最大限に支援していることは、その実例です。
イランは1979年のイスラム革命以来、ひとつの大国として常にアメリカによる非人道的な攻撃にさらされてきました。1988年7月の米巡洋艦によるイラン航空655便撃墜事件や、イラン・イラク戦争中にイラン北西部サルダシュトで起きた化学兵器攻撃(攻撃主体はイラクだが、アメリカが兵器を提供していたと言われる)、イランの政界・革命支持派要人の暗殺、国外反体制派組織による1万7000人ものテロ犠牲者、経済制裁やその他多くの措置が、アメリカやその同盟国がイラン国民に対して起こした犯罪の数々です。
こうした中で、ここ数年、国連人権理事会のイラン担当報告者は、主にイラン国外の反体制派組織・個人により用意された事実に反する証拠のない報告をすることで、事実上、イラン国民の敵の政治的道具、および同国への圧力行使の道具と化しているのです。
ガリーブアーバーディー氏はこの点について、「イラン担当特別報告者は、イラン国民の流血に手を染めたテロ組織による誤った情報を拡散するチャンネルと化している。こうしたテロ組織は、人権理事会報告者の指名決議を起草する者たちがいる各政府の中心都市を自由に行き来し、イラン国民に敵対する活動を行っている」と述べています。
言うまでもなく、イランは人権の向上を志向しており、それは憲法にも明記され、宗教的基準でもあります。しかし、西側諸国は人権を自らの存在基盤と定義し、その政治的目的のために利用しようと画策しています。その一方で、当の西側自身が人権問題について暗い過去を持っているのです。