イランが国連の新たな決議案採決で棄権、その理由は?
イランのタフテラヴァーンチー国連大使が、国連総会でのウクライナをめぐる新たな決議案採決においてイランが棄権した理由を説明しました。
国連総会では現地時間24日金曜、ウクライナへの人道支援に関する反ロシア的な決議案が、賛成140票、反対5票、棄権38票で採択されました。
同総会は193の加盟国から成り、今回の決議案では、ウクライナ民間人への支援や救援アクセスが求められるとともに、人道状況を悪化させたとしてロシアが批判されています。
ウクライナと、その同盟国であるアメリカやイギリスなど12カ国以上によって提出されて採択が決まったこの決議案に、法的な強制力はありません。
イルナー通信によりますと、タフテラヴァーンチー国連大使は、国連総会で新たに採択された今回の決議でイランが棄権票を投じた理由を説明し、「我々は、総会決議の現在の文章が現地の人道状況に関する範囲を超えており、また、紛争の人道面での問題解決に向けた現実的メカニズムを欠いていると考えている」と説明しました。
続けて、「イランは、自国の取る基本的立場が国際法に基づいた意見対立の平和的解決の必要性にあることを繰り返して表明し、全関係方面による国連憲章および人道法などの国際法への完全な尊重が必要となることを強調する」としました。
また、「イランは、全諸国の主権と領土保全への完全な尊重および、全民間人と非軍事インフラの安全の保証が必要であると強調しつつ、今回の紛争の早急な停止と緊張緩和という要求を繰り返し示し、全関係方面に対して、自身の懸念を対話によって追求するよう勧める」と述べました。
そして、「イランは、両者の間で行われている協議を支援しながら、国際法に基づく紛争の平和的な早期解決を繰り返し求める」としました。