イラン外務省報道官、「IAEA事務局長のイスラエル訪問で同機関の信用が失墜」
イラン外務省のハティーブザーデ報道官が、IAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長がシオニスト政権イスラエルを訪問したことへ遺憾の意を表明し、「この訪問はIAEAの信頼性に深刻な打撃を与えた」と述べました。
グロッシ事務局長は、IAEA理事会の開催直前にシオニスト政権の占領地を訪れ、同政権の首相と会談しました。
グロッシ氏はこの訪問後、IAEA理事国に向けた演説で、「イランの未申告施設3カ所においてIAEAが入手したデータに関し、同国は納得できる説明を提示しなかった」と主張しました。
ハティーブザーデ報道官はこの件をめぐり、記者会見においてシオニスト政権がNPT核不拡散条約の非締約国であることを指摘し、「IAEAの事務局長が、同国際機関の作業の一部を法を無視するシオニスト政権の手に委ねたことは、実に遺憾である」と述べました。
続けて、IAEAの決議は完全に計画的で政治的なものであるとして、「この決議は、イランとIAEAの間で合意した方針を混乱させた」としました。
その上で、「イランには、IAEAのこの政治的かつ非技術的な行動に対し返答なしですますことは不可能であった。そのために、これにふさわしい断固とした措置が取られた」と説明しました。
一方、イランの核合意内責務履行の削減については、「イランが責務履行削減において取った措置は、合意相手側の行動に即した反応である。よって、もしこの先オーストリア・ウィーンでの協議で合意が成立すれば、イランが取った全ての措置を元の状態に戻すことが可能だ」と述べました。
また、西側は合意成立に向けて集中すべきだとして、「米国が梃子(によって物事を操作できる)という夢想を捨てるならば、合意成立は可能だ」と強調しました。
ハティーブザーデ報道官はさらに、諸外国からイランへの外交訪問について触れ、「パキスタン外相、トルクメニスタン大統領、およびアルメニア国会議長が、間もなくイランを訪問する予定だ」としました。