岸田首相、「安倍元首相の国葬は今秋に」
岸田首相が、安倍元首相の「国葬」を、今年の秋に行う方針を示しました。
日本の報道各社が15日金曜、報じたところによりますと、今月8日に奈良市内で街頭演説中に銃撃され死亡した安倍元首相について、岸田首相は、歴代最長の期間、総理大臣の重責を担い、内政・外交で大きな実績を残したなどとして、今秋に国葬を行う方針を表明しています。
岸田総理大臣は14日木曜夜に記者会見し、冒頭で安倍元首相に哀悼の意を示しました。そのうえで安倍氏について「憲政史上最長の8年8か月にわたり、卓越したリーダーシップと実行力をもって総理大臣の重責を担い、東日本大震災からの復興や日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開などさまざまな分野で実績を残すなど、その功績はすばらしいものがある」と述べました。
また「外国の首脳を含む国際社会から極めて高い評価を受けており、民主主義の根幹である選挙が行われている中、突然の蛮行で逝去されたことに対して、国の内外から幅広く哀悼や追悼の意が寄せられている」としています。
そして「こうした点を勘案し、この秋に『国葬儀』の形式で、安倍元総理大臣の葬儀を行うこととする」と表明しました。
さらに「安倍元総理大臣を追悼するとともに、わが国は暴力に屈せず民主主義を断固として守り抜くという決意を示していく。合わせて、活力にあふれた日本を受け継ぎ未来を切りひらいていくという気持ちを世界に示していきたい」と述べています。
一方、岸田首相のこうした表明に対し、共産党やれいわ新撰組、社民党などの野党は「政府の決定に強く反対」、「政治的評価を事実上強制は行うべきではない」などとして、国葬の実施に反対を表明しています。