東京五輪から1年 費用1兆4000億円、詳細不明のまま組織委は解散
(last modified Sun, 24 Jul 2022 06:23:30 GMT )
7月 24, 2022 15:23 Asia/Tokyo
  • 東京五輪の開会式
    東京五輪の開会式

東京五輪の開会式から1年を迎えた23日土曜、国立競技場では都主催の記念イベントが開かれました。一方、最終的に1兆4000億円以上に上った費用の詳細は公表されぬまま、大会組織委員会は先月末で解散しました。

時事通信によりますと、このイベントは、観客1万5000人を入れて行われました。五輪開会式を模して、大会に出場した選手やボランティア、聖火ランナーら約1000人が入場行進しました。

また、イベント開始前には、2013年のIOC総会で招致演説をした安倍晋三元首相の追悼映像が流され、黙祷が捧げられました。

大会組織委会長を務めた橋本聖子氏は、「日本には困難を乗り越え、前に進む力があると示せた大会だった」と振り返りました。東京都の小池知事も、「大会を行ったことをレガシーとして、東京を前に進めていきたい」と語りました。

その一方で、組織委が先月発表した最終決算では、大会の総費用が1兆4238億円に上ったとされました。無観客開催となったことで一部費用が圧縮されたため、昨年末に示した見通し額から292億円減りましたが、招致時に試算した7340億円のほぼ2倍となりました。

東京新聞によりますと、事業別内訳では会場の仮設工事費が2827億円で最多。感染対策費が353億円、開閉会式は153億円、聖火リレーは98億円でした。

しかし、それ以上の細かい使途は明らかにされていません。さらに、国や都の他の名目の予算に付け替えられ、今回の経費に含まれていないものもあります。それらを合わせると総経費は3兆円に上るとの試算もあります。

こうした中、組織委は先月30日をもって解散。帳簿、契約書、稟議書などの重要書類は10年間にわたって清算人が管理することになっています。しかし、閲覧には裁判所の許可が必要で、都政策企画局の担当者は、「過去の判例をみると、都が閲覧するのは難しい」と話しています。

最近も、組織委理事を務めていた高橋治之氏が大会スポンサーのAOKIホールディングスから数千万円を受領していたとして、東京地検特捜部が同社前社長の青木拡憲氏に事情聴取を行っていたことが報じられました。

東京五輪の開催経費については、大会前から膨張しつづけ批判にさらされてきました。しかし組織委、都、政府いずれも十分な説明・検証をせぬまま大会は終了。1年が経ち、情報公開の道すら閉ざされようとしています。

 


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