7月 27, 2022 14:39 Asia/Tokyo
  • やまゆり園殺傷事件から6年
    やまゆり園殺傷事件から6年

神奈川県相模原市の障害者施設「やまゆり園」で、19人が殺害・26人が負傷した事件から丸6年となった26日、現場で追悼式典が開かれました。

この事件は2016年7月26日未明、神奈川県相模原市にある知的障害者施設「津久井やまゆり園」に、同施設の元職員・植松聖死刑囚が侵入、刃物で入所者らを刺し、19人が死亡・26人が重軽傷を負ったものです。

時事通信によりますと、きょう26日に行われた追悼式典には、神奈川県の黒岩知事や相模原市の本村市長、島村厚労政務官ら62人が参列し、全員で黙とうを捧げました。

やまゆり園の家族会「みどり会」の大月会長は、式辞の中で、「私たちはあなた方のことを決して忘れない」と述べました。

黒岩知事は、式典後の記者会見で、「ここに来る途中、あの日のことを生々しく思い出した」とし、「こういうことは二度と起こしてはいけない」と語りました。

この事件は、その犠牲者の数もさることながら、植松死刑囚が逮捕後の供述で障害者の生存権を否定する思想の持ち主であることを明かし、社会に衝撃を与えました。また、事件前の2月には、自らの犯行計画への支持を求める手紙を、当時の大島理森衆院議長や安倍晋三首相に宛てていたことも報じられました。

事件後、「共生社会」の実現が謳われるようになりましたが、現実には、弱い立場の人々の生存を否定する言説はむしろ増えています。事件から2カ月たらずの2016年9月には、民放の情報番組司会者が自らのブログで、透析患者の治療費を自己負担にし、拒むなら「殺せ」と投稿。出演番組などを降板しましたが、明確な謝罪はありませんでした。

昨年には、YouTubeで動画を配信している男性が「ホームレスの命はどうでもいい」などと発言。今年7月の参院選期間中には、NHK党の立花孝志党首が討論番組で「質の悪い子供を増やしてはだめ」などと発言しています。

事件直後には、植松死刑囚の優生思想にもとづく犯行動機について、当時の安倍首相はじめ政府が明確に非難するメッセージを出さなかったことが批判されました。6年を経て、同じような思想による発言はむしろ公の場で増えています。

 


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