日航機墜落事故から37年、遺族らが御巣鷹に慰霊登山
乗客・乗員520人が亡くなった日航機墜落事故から37周年を記念し、事故現場となった群馬県上野村の御巣鷹山で、遺族らによる慰霊登山が行われました
日本の報道各社によりますと、日航ジャンボ機墜落事故から37年を迎えた12日金曜、墜落現場となった「御巣鷹の尾根」を目指し、花束を抱えた遺族や関係者などが慰霊の登山を行いました。
12日は慰霊登山を行った遺族らが「斜面にある犠牲者の墓標や「昇魂之碑」の前で手を合わせ、祈りをささげました。
同日午前11時半すぎには、日本航空の赤坂社長が墜落現場を訪れ、航空機の安全運航を誓って合掌しました。また 夕方からはふもとで慰霊式が行われ、墜落した時刻と同じ午後6時56分に全員で黙とうを捧げています。
この事故の犠牲者の遺族の1人は、「悲しい気持ちは消えることはなく、受け入れて生きていくためにも毎年登っています。孫が9歳になったのが1つの区切り。この事故で死亡した当時9歳の息子のことを次の世代に伝えていく、という思いを改めて報告できました」と語りました。
また日本航空の担当者は、「安全確保に向けた取り組みが確かなものか問いかけられている。風化をさせてはいけないと改めて思う」とコメントしています。
37年前の1985年8月12日、羽田発大阪行きの日本航空123便がこの尾根に墜落し、乗客乗員520人が亡くなりました。
日本航空の担当者によりますと、御巣鷹の尾根では37年が経過した今でも、台風などで雨が降ると土が流され、墜落した機体の部品が見つかることが多く、今年6月も多くの犠牲者が見つかった「スゲノ沢」と呼ばれる場所で、機体に搭載されていたとみられる酸素マスクが発見されています。
一方で、事故当時に在籍していた日航の社員は来年3月には50人にまで減り、全社員の0.4%を切るということです。
このように、当時を知る社員がほぼいなくなる中、事故の教訓を次の世代にどう伝え、空の安全をどう守っていくのかは時が流れても問われ、今後の課題となると思われます。