ナチスへの贖罪意識からイスラエルに武器を供給するドイツ
ドイツ外務省の公式発表によると、ドイツはこの3カ月でおよそ9400万ユーロ(約155億円)相当の武器をイスラエルに提供しています。
【ParsToday国際】先月24日に公表されたこのデータからは、ドイツが国際社会の懸念をよそにイスラエルへの武器支援を拡大し続けている姿が浮き彫りになりました。
今回のドイツ外務省の発表は、同国左派政党「ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟」(BSW)の情報公開請求によるもので、9400万ユーロという数字は前の週に経済省が議会経済委員会に示した数字の2倍にあたるものでした。
ドイツ国内の反応
BSWはドイツ政府のこうした姿勢を「無責任」と批判し、イスラエルへの武器支援の停止を求めました。同党幹部は地元メディアの取材に「政府はイスラエルへの武器禁輸を求める大半の世論に背くことで、ガザやレバノンでの戦争犯罪に加担している」と語りました。
ドイツ政府は最近、イスラエル政府から武器使用にあたっては国際法を遵守するという確約を得たとして、武器提供を再開しました。ドイツはそれまで、ニカラグアからイスラエルによるジェノサイドに加担しているとして国際司法裁判所に訴えられたことから、イスラエルへの武器提供を停止していました。
イスラエル支援を擁護するドイツ外相
ドイツのベアボック外相は政府のイスラエル支援政策を擁護し、「イスラエルへのすべての武器支援は、厳密な精査と国際法順守にもとづいて行われる」と強調しました。ベアボック氏はこれについて、「我々はすべてのケースについて厳密に精査しており、それは今後も続く。第三国への武器輸出については特別なルールが定められており、イスラエルもその対象だ」としました。
ドイツはかねてからイスラエル支持の姿勢を明確にしており、現在のショルツ首相も「イスラエルの安全保障はドイツの国是だ」とまで明言しています。しかし、そうした無条件のイスラエル支持は国際社会におけるドイツの信頼を損ない、最終的には孤立につながると警告する声もあります。
2023年10月7日以降、イスラエルによるパレスチナ攻撃の結果、これまでに4万2000人以上のパレスチナ人が殉教し、10万人以上が負傷しています。