77回目の終戦記念日、東京で全国戦没者追悼式が実施
77回目の終戦記念日に当たり、東京で全国戦没者追悼式が開催されました。
日本の報道各社によりますと、77回目の終戦記念日を迎えた15日月曜、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれ、参加者らが日中戦争と太平洋戦争で犠牲になった310万人を悼みました。
ロシアによるウクライナでの特殊軍事作戦が続く中での開催となったこの日の式典で、天皇陛下はおことばで「戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」と述べられています。
また岸田文雄首相は、「歴史の教訓を深く胸に刻み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてきた」と述べ、2019年の安倍晋三元首相以来3年ぶりに第二次世界大戦の「教訓」に言及しました。
しかし、歴史認識に関しては戦後の日本の平和国家としての歩みを紹介する中での言及にとどめ、アジア諸国への加害責任や反省には触れていません。
この追悼式には例年では、遺族約5000人が参列していましたが、2020年以降は新型コロナウイルス対策のため、今回まで3年連続で規模を縮小して実施されています。
今回参列予定として公表された遺族は592人で、武道館開催としては3番目に少なくなる見通してす。感染防止のため、参列者の座席は1メートル間隔で配置し、国歌斉唱は見送り、演奏のみが行われました。
日中戦争と太平洋戦争では軍人と軍属230万人、民間人80万人が犠牲になったほか、終戦後も多数の日本兵が旧ソ連に抑留され、5万5000人が死亡したとされています。さらに、海外での犠牲者のうち112万人分の遺骨を今も収容できていない状態にあります。
一方ではこの戦争で、日本と中国・朝鮮半島などとの間に徴用工問題や従軍慰安婦問題なども生じており、戦争の後遺症は今なお残っています。