沖縄県が普天間移設反対を強くアピール、生態系の破壊なども理由に
沖縄県関係者が、アメリカ軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する理由を表明しました。
戦後75年余を経た現在もなお、国土面積の約0.6%しかない沖縄県には全国の米軍専用施設面積の約7割が集中し続け、状況が改善されない状態にあります。
普天間基地移設問題についてついて、稲嶺進元名護市長は、「沖縄県民は、米軍機の騒音や墜落の脅威に長年悩まされてきた。さらに米軍によるさまざまな交通事故やその他の犯罪により、沖縄県民の日常生活は深刻な影響を受けている」と語っています。
日米両政府が合意した計画によれば、米軍は普天間基地を沖縄県名護市の辺野古地区に移設することになっています。
しかしこの移転には土地の埋め立て、および2本の新しい滑走路の建設が必要であり、これは地元住民からの強い反発を引き起こしています。
稲嶺氏はまた、「アメリカの航空法では、滑走路から2km以内の建物は高さ50mを超えてはならないと定められているが、辺野古には沖縄工業高等専門学校や小中学校があり、高さ50mを超える住宅が多くある。これらはいずれも安全基準を満たしていない」と指摘しています。
さらに、「米軍基地が辺野古に移されても、普天間の一部施設は継続利用されるだろう」としました。
また、オール沖縄会議の福本勇司事務局長も、「軟弱な地盤と埋め立て地盤沈下が二次災害を引き起こす可能性がある。総合評価の結果、昨年11月、沖縄県は設計変更申請を却下した。現在、沖縄県は日本政府と反対の意見を持っている」と語りました。
さらに、生物学者らは「埋め立てによって堆積物が海に流れ込み、海洋生物の生息環境を破壊し、海流にも変化をもたらす。その結果、生物多様性が損なわれる」と指摘しています。
一方、沖縄県知事選で再選を果たした玉城デニー氏は、沖縄県民の「廃止への希望は変わっていない」と述べており、今後とも引き続き、日本政府に普天間基地の移設の断念、および埋め立て計画の中止を働きかけていこうとしています。