徴用工問題めぐる日韓の駆け引き
1月 16, 2023 19:28 Asia/Tokyo
日本の植民地支配時代に朝鮮半島出身者が強制労働に駆り出されたとされる「徴用工問題」で、被害者への賠償をめぐり日韓の間で駆け引きが続いています。
2018年に韓国大法院(最高裁)は、一連の徴用工訴訟で初めて、新日本製鉄に対し韓国人4人へ1人あたり1億ウォンの損害賠償を命じました。
16日月曜、韓国外務省アジア太平洋局のソ・ミンジョン審議官が日本を訪れ、外務省の船越健裕アジア太平洋局長と会談しました。
会談でソ審議官は、訴訟の対象となっている日本企業に代わって、韓国政府傘下の財団が被害者への賠償を肩代わりする案を提示しました。
これに対し被害者団体などは、日本政府による公式謝罪と日本企業からの直接賠償を求めており、この案に反発しています。
徴用工訴訟ではこれまでに1100人の被害者や遺族が訴えを起こしています。
一方、日本側は1965年の日韓請求権協定で韓国側に5億ドルの経済支援を行っており、これにより個人への補償も解決済みだとしています。
韓国のユン大統領は、徴用工問題の解決を急ぐことで日韓関係の改善を進めたい考えです。また、被害者が高齢化していることも、韓国政府が解決を急ぐ理由になっています。
また、日本と韓国は北朝鮮を共通の脅威とみなしており、北朝鮮に対抗するため徴用工問題など日韓間の懸案を解決して足並みを揃えたい思惑もあります。
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