23年上期の日本国内の倒産は4000件、中小企業に淘汰の波
2023年上半期における日本国内での倒産件数が4000件を超えたことが明らかになりました。
日経新聞が東京商工リサーチの今月10日発表のデータとして報じたところによりますと、2023年上期(1〜6月)の倒産件数は前年同期に比べ3割増え、上期としては20年以来、3年ぶりに4000件台となる4042件に達しました。
これは、同年同期から4倍超の水準で2022年通年の320件をすでに上回っているということです。
また、帝国データバングの物価高倒産についての調査・分析によりますと、そのうち仕入れ価格の上昇や価格転嫁できないことに起因した物価高倒産が375件と、すでに2022年通年を上回っており、過去最多を更新しています。月別では、4月に単月で過去最多の75件発生しており、5月が67件、6月が63件とやや下がっているものの、今後も予断を許さない状況となっています。
業種別に見てみると、最多は建設業で83件。続いて製造業の79件、運輸・通信の58件となっており、小売業では2022年上半期で発生がなかった飲食店の倒産が目立っているとのことです。
物価高倒産の要因としては、原材料によるものが34.1%で最多となっていますが、原油高などによるエネルギー(29.9%)と合わせて前年同期より割合が下回っています。人件費や電気代などを中心としたサービス価格のコスト増は、なかなか価格転嫁しづらく倒産を引き起こす遠因になっているとしています。
このことから、中小企業に淘汰の波が押し寄せており、新型コロナウイルス禍での手厚い資金繰り支援で延命してきた企業も多く、人手不足や物価高の逆風下でも、事業を継続できる強さが問われる環境に入ったと言えそうです。