9月 28, 2023 18:37 Asia/Tokyo

アイルランドで昨年3月に開かれた体操の大会で、黒人の少女だけにメダルが渡されなかった様子を撮影した動画が最近になってSNS上で拡散し、世界的な非難を呼んでいる中、欧米に滞在・在住経験のある日本人からも人種差別の被害を告発する声が相次いで出ています。

問題の動画は、昨年3月にアイルランド・ダブリンで開かれた体操の大会の表彰式を収めたもので、主催者側の女性が選手の児童らに順番にメダルを首にかけていくものの、1人の黒人の少女だけを飛ばし、隣の白人少女からは再びメダルを授与してく様子が映っています。

自分だけメダルを授与されず、戸惑った様子で女性の方を見つめています。大会から1年半が過ぎた今月下旬になって、この動画がX(旧ツイッター)上で拡散し、世界中から非難の声が高まりました。

 

アイルランドの人種差別動画に

 

アイルランド体操協会はこれをうけ、黒人少女の選手とその家族に謝罪したとし、メダルを授与しなかったのは故意ではなかったと釈明しました。同時に、今年8月の時点で少女の家族側と和解したとも説明しました。

しかし、朝日新聞によると、この黒人少女の母親が24日、地元メディアの取材に対し、「協会は職員をかばっている」「職員の謝罪文は関係者宛ての短いもので、真の謝罪ではない」と語り、当事者間で問題が解決していないことが露呈しました。

この動画は日本人ユーザーにも大きな衝撃をもって受け止められました。特に、欧米に滞在・在住経験のある日本人からは、今回の黒人少女と同じような人種差別被害を受けたとの報告が数多く投稿されました。

特に反響を呼んだ投稿には、小学生の時にカナダ・ナイアガラの滝近くにあるチョコレート屋で、無料のチョコレートをもらうために並んでいたところ、自分だけ何度並んでも順番をとばされもらえなかったというもの、アメリカの惣菜店で注文のため列に並んでいたところ、店員が自分だけ順番をとばし、後ろの人に指摘されてさも故意でなかったかのように気付いたふりをされたというもの、南アフリカで税理士に仕事を依頼しても一向に連絡がなく抗議したところ、白人の秘書が「非白人の指示は受けたくない」という理由で依頼を伝えていなかったというものなどがありました。いずれも欧米における深刻な人種差別の実態を伝えるものです。

なお、昨年9月には、英国国王に即位したチャールズ3世が、エリザベス前女王の葬儀に訪れた群衆と握手する際、ちょうど今回のアイルランドの体操大会と同じように、黒人の男性だけを飛ばす映像が拡散し、批判を浴びていました。

 


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