菅首相「インド大西洋地域に新NATOを作るつもりはない」
(last modified Wed, 21 Oct 2020 07:46:56 GMT )
10月 21, 2020 16:46 Asia/Tokyo

インドネシアを公式訪問中の菅義偉首相は首都ジャカルタで記者会見を行い、米国と日本をはじめとする同盟国はNATO(北大西洋条約機構)のインド大西洋版を作るつもりはないと発言しました。

中国の王毅外相の「(日米は)新たなNATOをインド大西洋に作る企み」という批判に対しコメントを求められた菅首相は「自由で開かれたインド大西洋構想について言えば、新NATOを作るつもりはまったくない」と強調しました。

これより前、中国の王毅外相は10月初旬に東京で行われた日米豪印外相会合について、これら4カ国は事実上、インド大西洋版のNATOを作ろうとしていると強い警戒感を示していました。

菅首相はまた、日本は「自由で開かれたインド大西洋構想」においてインドネシアやベトナム、その他同地域諸国と密接な協力を継続していくと語りました。

今月6日、東京で日米豪印外相会合が行われ、4か国は自由で開かれたインド大西洋地域を保障するため協力を深めることで合意しました。4か国外相はまた、北朝鮮を含む地域問題について意見交換し、南シナ海および東シナ海情勢について協議しています。

日本の防衛省は、菅首相が19日に訪問先のベトナムでフック首相と安全保障面の協力強化で一致したことに基づき、防衛装備品の移転や技術協力を推進していく方針です。これについては、岸防衛相が20日の記者会見で明らかにしました。

岸防衛相は「ベトナムは戦略的利益を共有する重要なパートナーであり、ベトナムとの間で防衛協力を幅広く推進することは我が国及び地域の平和と安定においても重要だ」と述べ、「今般の防衛装備品の技術移転協定の実質合意を踏まえ、防衛省としてもベトナムとの防衛装備品の移転や技術協力を推進すべく、防衛装備品協力に関わる事業の実現可能性調査などさまざまな可能性を検討していく」と語りました。

また岸氏は、インド国防省が19日、米国及び日本と毎年行っている合同海上演習に今年はオーストラリアが初めて参加すると発表したことを歓迎し、「日米豪印の防衛当局間で緊密に連携していくことは、自由で開かれたインド太平洋の維持・強化を続けていく上で極めて重要だ」と述べました。

19日月曜に、オーストラリア、米国、日本は南シナ海で合同演習を実施しました。

なお、インド洋で11月に行われるインド、米国、日本の合同軍事演習「マラバール」にオーストラリアが参加することが発表されました。

一方、中国は、米軍のアジア太平洋地域での展開について、地域諸国の利益にならないとし、いたずらに緊張を高めるだけ、と繰り返し非難しています。

中国外務省も以前から、「米国はアジア太平洋地域での新型兵器の使用を目論んでおり、中国政府はこれに反対する」と表明してきました。

 

 

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