日本の世界遺産候補地でコバルト60検出 米軍が不法投棄か
(last modified Wed, 16 Dec 2020 11:09:40 GMT )
12月 16, 2020 20:09 Asia/Tokyo
  • 日本の世界遺産候補地でコバルト60検出
    日本の世界遺産候補地でコバルト60検出

世界自然遺産登録の候補地となっている沖縄県国頭村安田の北部訓練場跡地で、返還前に米軍が廃棄したとみられる金属製の部品類から放射性物質のコバルト60が検出されたことが分かりました。

沖縄タイムズによりますと、訓練場跡地の部品と共にあった布や紙のような物からは、ポリ塩化ビフェニール(PCB)も検出されました。どちらも微量で、すぐに人体や自然界に影響を及ぼすレベルではないものの、国内では管理や保管、廃棄の仕方が法律で義務付けられており、専門家は「放射性物質の不法投棄」と指摘しています。同訓練場の廃棄物から放射性物質が確認されたのは初めてとみられ、世界遺産登録に影響を与える可能性もあります。

部品類が見つかったのは、2016年に返還された同訓練場跡地内のFBJヘリパッド跡で、コンクリートで固められた、強い油臭のする朽ちた缶の中に19個の部品があるのを、米軍廃棄物の調査をしているチョウ類研究家の宮城秋乃さんが発見しました。

部品は約4センチ四方のH型で、製造会社や個別識別番号とみられる表記がありました。宮城さんの調査では、部品は通信機器に内蔵されていた米国製の電子管とみられ、コバルト60を含んでいる可能性があることが分かっています。

沖縄タイムズなどが琉球大学の棚原朗教授(放射化学)に測定を依頼したところ、サンプルを変えた2回の測定でいずれもコバルト60のガンマ線が確認されました。

棚原教授は「放射性物質は法律で厳重な管理が義務付けられている。今回の事案は放射性物質の不法投棄に当たる」と指摘しています。

PCBは宮城さんの依頼で名桜大学の田代豊教授(環境化学)が測定を行いました。田代教授は「量は少ないが、このような形で投棄されていることが問題。一つあったということはもっとあるかもしれず、また過去にはもっと濃度が高かった可能性もある」と話しています。

コバルト60は、元素のコバルトから人工的に作られる放射性物質の一つで、厚さを計る測定器や植物の品種改良、がん治療などに使われますが、線量が強まると人体に悪影響を及ぼすことがあります。

 

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