沖縄・豊見城市議会へ抗議の座りこみ 遺骨含む土の埋立利用断念の意見書否決で
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沖縄県豊見城市議会
沖縄戦の戦没者の遺骨を含む可能性のある土砂を埋め立てに使用しないよう国に求める意見書について、沖縄県豊見城市議会が賛成少数で否決したことに対し、同市根差部の男性が抗議のために、3日午後、市議会の入る豊見城市役所前で座り込みを始めました。
沖縄タイムスによりますと、この男性はトマト農家の金城博俊さん(43)で、座り込みとともに署名を集めて市議会に意見書の再提案と可決を求めるとし、「戦争で亡くなった人に思いをはせるのは当然で、地元の代表の判断が間違っているなら、地元の市民が声を上げなければならない」と決意を示しました。
市議会は3月26日の本会議で意見書案を採決しましたが、定数22のうち議長を除き、野党の保和会8人、ZERO1人の計9人が反対、与党の共産5人、真新会2人、野党の公明1人の計8人が賛成し、ZEROの4人は「このタイミングで判断するのは困難」と退席しました。
金城さんは長嶺中学校の同級生で那覇市に住む大田弥生さんからの電話で否決を知らされ、「沖縄は先祖を敬う気持ちが強い。なぜそんな判断ができたのか」と感じ、地元の問題、自分の問題と捉えた時、「ゼロから百へ、いきなり怒りの沸点に達した」と述べています。
金城さんの曽祖母も戦没者で、糸満市の平和の礎に名前が刻まれていますが、遺骨は見つかっておらず、「身内の骨を含む可能性があるなら、なおさら許すことはできない」としています。
金城さんは慢性腎不全で週3回の人工透析を受けており、1日3回の薬を飲むために食べる必要がありハンガーストライキは断念しましたが、必要最小限の食事として、1食におにぎり1個か、ゆで卵1個を取りつつ、8日までの6日間、抗議の意思を示す予定です。
特産のトマトは4~5月が収穫、出荷の最盛期であり、午前中は市役所から車で約10分の畑へ行かなければなりません。また、月、水、金曜日は午後1時半から午後6時半まで人工透析の時間となり、それ以外の時間で、午後9時までの座り込みを続けますが、気温が上がって、トマトの成長が早くなっていることから、収穫が間に合うか、気がかりでならないとしています。
座り込み初日には、遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の代表で、この問題に反対してハンガーストライキを実施した具志堅隆松さんが駆けつけ「政治ではなく、人道の問題。市議会が否決しても市民が立ち上がったことは心強い」と激励しました。
署名活動は、同級生の大田さんと、中城村に住む豊見城中学校出身の津嘉山恵子さんが支援します。
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