漫画家さいとう・たかをさん、すい臓がんで死去 代表作に「ゴルゴ13」
「ゴルゴ13」などの人気作品で知られる漫画家さいとう・たかを(本名・斉藤隆夫/さいとう・たかお)さんが、24日午前10時42分、すい臓がんのため死去しました。84歳でした。連載誌「ビッグコミック」を出す小学館が29日発表しました。
NHKによりますと、和歌山県で生まれたさいとうさんは、家業の理髪店を手伝いながら映画や手塚治虫などの影響で漫画を描き始め、1955年に「空気男爵」で漫画家としてデビューしました。
登場人物や背景をリアルに描くことにこだわって、当時の漫画とは一線を画した「劇画」という新たなジャンルを確立し、みずからを「劇画家」と名乗って、大地震後の世界を生き抜く少年の姿を描いた「サバイバル」や、池波正太郎の小説を原作とする「鬼平犯科帳」といった作品を生み出しました。
また、国籍、年齢、本名、すべてが不明で「デューク東郷」と呼ばれることもある寡黙なスナイパーの活躍を描いた「ゴルゴ13」は、1968年から半世紀以上にわたって雑誌の連載を続けてきました。
長年の功績が評価され、2003年には紫綬褒章を、2010年には旭日小綬章を受章しています。
ビッグコミック編集部は、さいとう氏が生前から「自分抜きでも『ゴルゴ13』は続いていってほしい」と語っていたことを受け、『ゴルゴ13』の連載はこれからも継続する予定だということです。
さいとう・プロダクションによると、葬儀は、新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、親族のみで執り行われました。同プロダクションは「これまでご愛読、応援いただいた読者の皆様、お世話になりました関係者の皆様に深く感謝申し上げます」とのコメントを発表しています。
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