作家・元東京都知事の石原慎太郎氏が死去 89歳
作家で元東京都知事の石原慎太郎氏が1日火曜、亡くなりました。89歳でした。
石原氏は1932年神戸市生まれ。一橋大学在学中の1956年に小説『太陽の季節』を発表し文壇デビュー。戦後の若者の価値観をセンセーショナルに描写した同作は芥川賞を受賞し、大きな社会的反響を呼びました。また、この作品の映画化で弟の裕次郎氏を俳優デビューさせ、その後一大スターとしての名声を築き上げる契機となります。
1968年の参院選で自民党から出馬し当選。72年からは衆院に鞍替えし、環境庁長官や運輸相を歴任しました。
1995年に国会議員を辞職した後、99年に東京都知事選に出馬し当選。以降2012年まで13年あまりにわたって都知事を務めます。
2012年に国政復帰を表明して都知事を任期途中で辞任。同年の衆院選で日本維新の会から出馬して当選したものの、14年の選挙では落選し政界引退を表明しました。
政界引退後は再び執筆活動などに専念していましたが、遺族の話では昨年10月にすい臓がんを患い、闘病中だったということです。
政治家在任中は右派・保守強硬の価値観にもとづき、歯に衣着せぬ発言で世論を味方につけ、時には国やアメリカなどと真正面から衝突することも厭わない姿勢で自身の政策を強力に推し進めました。
国会議員時代の1973年には故・渡辺美智雄氏らとともに青嵐会を結成。憲法改正による自主防衛や日中国交正常化反対などを訴えました。
その後も、靖国神社参拝、従軍慰安婦問題、領土問題などで常に強硬な主張を繰り広げました。
その一方で、環境庁長官時代に水俣病患者を侮辱する発言をして土下座したり、都知事時代にも障害者の人格を否定する発言や在日外国人を「三国人」と呼んだりと、その発言は常に批判の対象ともなりました。