ロシア外務省、「これらの声明は日本に害を及ぼす」 日本の北方領土めぐる声明発表受けて
ロシア外務省のザハロワ報道官が、日本はロシアに対する「西側のメインストリーム」に加わり、自分たちの国益に関して破壊的な行動を取っていると指摘しました。
ロシアのスプートニク通信によりますと、ザハロワ氏は9日、ラジオ局の番組で、ロシアに対する領有権の主張に関する日本の当局者たちの発言についてコメントしました。
その中で同氏はは、「残念ながら、日本はこの西側のメインストリームに最も積極的な形で加わり、すべての指示を従順に遂行している」と指摘し、「彼らは見たところ、自分たちの国益に関してどれほど破壊的な行動を取っているかを単に理解していないようだ」と述べました。
そして、「彼らは十分に長い間なんらかのバランスを維持することを試みてきたが、どうやら、現在は賭け金がつり上げられ(現状のリスクが極めて高いため)、彼らはもはや抵抗を示していない」と状況を語りました。
日本は近年、北方四島をめぐる状況の文脈の中で、「固有の領土」と発言することは控えていましたが、岸田首相は7日の衆院予算委員会で、千島列島について「わが国の固有の領土」と明言しました。
また、日本外務省の宇山秀樹欧州局長も先月28日、千島列島はロシアに占領されたと述べました。日本の指導部は、これに関する議論で「占領」という言葉も数年間使っていませんでした。
この件では林外相も今月8日、「今までは外交的な観点から『わが国が主権を有する島々』との表現を用いてきた」とした上で「今の状況に鑑みると平和条約交渉の展望を申し上げる状況にはなく、そうしたことも踏まえて申し上げている」と説明し、ウクライナ情勢を踏まえたものだとの認識を示し、さらに「ロシアによる北方領土の占拠は法的根拠を何ら有していないという意味で不法なものだ」と述べ、北方領土をめぐる立場を鮮明にしています。