カルダモンとは？

9月 19, 2020 01:56 Asia/Tokyo

カルダモン

カルダモンは古くから知られた香辛料で、インドをはじめ、イランの料理にも使用されます。

カルダモンは、ショウガ科の多年草です。その葉は大きく緑色で、2メートルから3メートルの高さになります。茎は、地面を這うような形で伸び、1メートル50センチにも達します。根は非常に太くて強く、果実は中身と薄緑色の外皮、細かな黒い種の3つの部分から成っています。カルダモンはもともと、インド南部やスリランカで栽培されていました。インドのものはわずかに小さく、より香りが強いものとなっています。

今日、カルダモンを多く輸出している国は、グアテマラ、タンザニア、ベトナムなどです。カルダモンは、インドなどのアジアの台所で、多くの料理の調理に使用されており、主にカレーのスパイスとして使われています。また、ヨーロッパでは、クリスマスなどのケーキやデザート作りに用いられています。カルダモンには、脂肪を取り除く働きがあるため、ソーセージやハムなどの肉料理に使用するとよいとされています。また、アラブ諸国では、コーヒーなどの飲み物の香り付けに用いられています。

イランでも、カルダモンは、紅茶と一緒にティーポットに入れられ、煮だして香りを楽しむ他、治療的な効果もあるとされています。インド人は、国民的な飲み物「チャイ」を作る際、カルダモンを使います。アラブ人は、コーヒーのモカを淹れる際に、カルダモンを加えてコクと香りを出しています。

カルダモンは、薬品や香料の製造にも使用されています。特に油は、蒸留して取られます。カルダモンの、小さな緑色の外皮の中の、細かい黒い種には、鉄、タンパク質、天然の色素、糖質、デンプンなどが含まれています。カルダモンの効用としては、食べ物の消化を促す他、膨満感、神経痛、痰を解消します。さらに、腎臓や肺の働きを促すことにも役立ちます。インドの伝統医学では、腎臓や肺の働きを促す他に、食欲増進、口臭予防、吐き気の抑制にも使われていました。