正義のために立ち上がろう:正義に関するコーランの8節
イスラム教の聖典・コーランの見方では、この世はすべての存在が正義にもとづき、不正義の場所は存在しません。また、歴史上の預言者たちの目的のひとつも正義の実現でした。正当な場に存在するもの、権利を有するものに対しては、正義が実現されなければなりません。
正義は最も基本的な概念のひとつであり、コーランには様々な逸話などでその重要性が説かれています。
イスラム教における正義の重要性を理解するには、コーランをひもとくのが一番です。ここではその中から8つの節を紹介します。
1.神の行いは正義にもとづく
アッラーは、自ら以外に神は存在しないと証明する。天使たちも神の行いは正義にもとづき、アッラー以外に神はいないことを証明する。(イムラーン家章・第18節)
2.神の行いに不正義はない
アッラーは一片たりとも不正義をはたらくことはない。(逆に)もし少しでも恵みがあれば、それを何倍にもする。そして大きな報酬を与えてくれる。(婦人章・第40節)
3.公正に他人を判断せよ
アッラーは、預かったものはその所有者へ返し、他人を判断する時は、公正に判断するよう命令する。恵みとは、アッラーがあなたに忠言することである。アッラーは見聞きしている。(婦人章・第58節)
4.他人への敵意ゆえに不正義をはたらくな
信仰を得た者たちよ、常に神のために立ち上がり、正義にもとづいて証言せよ。他人への敵意のために、正義を捨てることがあってはならない。公正につとめよ、それが悪事を避けることに近い。神を畏れよ。神はあなたがたの行いをすべて知っている。(食卓章・第8節)
5.神は圧政者にすら不正義をはたらかない
圧政者は地上にあるすべての所有物を(処罰から逃れるために)捧げようとするだろう。(しかし、それが受け入れられることはなく)彼らに罰が下り、後悔を示した時に公正に裁かれる。彼らに不正義が及ぶことはない。(ユーヌス章・第54節)
6.人々の権利を侵すな
人々よ、取引は公正にせよ。他人の権利を踏みにじってはならない。不正や腐敗に足を踏み入れてはならない。(フード章・第85節)
7.人々は正義のために立ち上がらなければならない
我は預言者たちを明白な知恵とともに遣わした。人々が正義のために立ち上がれるよう、預言者たちに聖典と正義を授けた。(鉄章・第25節)
8.神は正義を求める者を好む
正義にかなうよう行動せよ。神は正義を求める者を好む。(部屋章・第9節)