宗教間対話の強化に向けた宗教活動家の行動の必要性/イランは複数宗教の共存の成功モデル
テヘランのアルメニア人評議会議長が、平和を目指す現代世界の動きにおける宗教間対話の重要性を強調し、「交流と相互理解は、宗教や文化の分野を超えて前向きな結果につながるだろう」と語りました。
【ParsToday宗教】イランは数千年にわたる文化と文明により、様々な一神教の平和共存のモデルと考えられています。1979年の革命でイスラム共和国となってからも、啓示宗教を重視することでこの分野において意義のある役割を果たすことに努めてきました。特にキリスト教徒らはローマ帝国の抑圧や暴虐にも関わらず、古代からイランの地で安全と繁栄を享受してきました。イランで今なおしっかりと根付いているテーマの1つは、宗教間の団結と協調なのです。
テヘランのアルメニア人評議会議長のルーベン・カラパティアン氏は団結週間にちなんで、宗教間の対話の重要性について「現代世界においては一部の者が偽善や対立の拡散により、日常生活において人々から精神性と倫理的価値観を奪っている。このような状況において、宗教活動家は自らの正しい行動により、宗教が追求するものの一つである普遍的な平和と友好を実現させ、諸宗教と諸国民の宗教・文化的共通点を可能な限り明らかにすることができる」と語りました。
イランはイスラム教が主流を占める国でありながら、社会の成熟によりさまざまな宗教や少数派が活動していることは、注目すべきものです。このことは、イスラム教とイランの寛容な文化が他の宗教を受け入れ、相互交流している現実を物語っています。特に、最高指導者ハーメネイー師が宗教的少数派の殉教者、退役軍人、元捕虜の家族と頻繁に面会していることは、イランのイスラム共和制が一神教の信者らに敬意を払っていることの表れでもあります。
ここで注目すべきなのは、1979年のイラン・イスラム革命はその当初から、現代世界における宗教的な事項や神聖な倫理の復活を目指していたことです。この考え方と視点は、イランにおける複数の一神教の間の連帯と共感につながりました。こうした一方で、一部の西側社会では言論の自由の概念の悪用により、特に昨年はスウェーデンとデンマークで起きた聖コーランの冒涜をはじめ、さまざまな宗教に対して攻撃的で暴力的な行動がとられているのが現実です。こうした行動は、社会的緊張の激化や、異なる宗教や宗派の信者間の亀裂の拡大の引き金となりうるものです。