Pars Today
OPCW・化学兵器禁止機関の第106回執行理事会で、オランダ駐在のイラン大使が、イラクのサッダーム旧独裁政権の化学兵器計画を支援した外国の人物を訴追・処罰する必要性を強調しました。
イランのバーゲリーキャニー外相代理は、イラン・イラク戦争中の1987年6月28日に、サッダーム政権率いるイラク軍がイラン西部サルダシュトを化学兵器で攻撃してから37年になるのにあたって、「イランに対する化学兵器攻撃の実行者や責任者に対する訴追は、時の経過とともに忘れ去られるものではない」と述べました。
化学兵器の使用は国際条約で禁止されていますが、かつてのイラクのサッダーム政権は、イラン・イラク戦争でイラン側の国境の街を化学兵器で攻撃しました。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、イラン国民に対するイラクの元サッダーム・フセイン政権の犯罪に触れ、「サッダームは世界で人権擁護を主張する国々の支援を得て、これらの犯罪に手を染めた」と述べました。
イランのザリーフ外相がツイッターにおいて、イラク北部のクルド人居住地域・ハラブチェ(ハラブジャ)への化学兵器攻撃という悲劇について、当時のサッダーム・フセイン政権へ禁止兵器を供給したのが誰であるかに言及し、またこのことに西側が目を向けようとしていないとしました。
イランのローハーニー大統領が、「イラクの元独裁者サッダーム・フセインはイランに対し軍事戦争を、また米国のトランプ現大統領は経済戦争を仕掛けた」とし、「トランプ大統領の辿る運命は、サッダーム・フセインよりよいものにはならないだろう」としました。
イランのローハーニー大統領は、イランを標的にした米国の経済制裁を指摘し、「ホワイトハウスを支配する者たちの妄想と誤算は、彼ら自身が破壊したサッダーム政権の行動にそっくりだ」としました。
イランは化学兵器の犠牲者です。 しかし、サッダーム政権を支援した政府が、国際社会を前に自らの不名誉な行動への謝罪を迫られる日もそう遠くはありません。
イランのザリーフ外相は、「イランは野蛮行為への対抗で、自らの人間の原則に違反することはない」と語りました。
イラン外務省は、同国西部サルダシュトへの化学爆弾による悲惨な空爆について、「イラン国民は、この恐ろしい化学兵器による攻撃で、欧米諸国がサッダーム政権側につき、支援した事実を忘れておらず、決して忘れることもないだろう」と強調しました。