パレスチナ外務省、イスラエルによるアルジャジーラ記者暗殺に関する米の報告を拒否
パレスチナ自治政府外務省が、カタール国営衛星通信アルジャジーラの女性記者シリーン・アブアクレ氏のテロ暗殺に関するアメリカの報告を否定し、「これはシオニスト政権イスラエルへの支持という政治的声明である」としました。
イスラエル軍は5月11日、パレスチナ・ヨルダン川西岸北部の町ジェニンを襲撃し、報道取材「プレス」と明記されたジャケットを着用したカタール国営衛星通信の女性記者シリーン・アブアクレ氏を、100m~150mの距離から銃撃し、殉教にいたらせました。
アメリカ国務省は報告の中で、イスラエル軍がアブアクレ氏に対し至近距離から銃弾を発射した事実を認めつつも、この犯罪の矮小化および、イスラエルに過失責任がなかったように見せかけるべく、あらゆる口実を列挙しています。
アラビア語のニュースサイト・アラビー21が5日火曜、報じたところによりますと、パレスチナ外相政務担当補佐官のアフマド・ディーク氏は、「パレスチナ人女性記者アブアクレ氏のテロ暗殺に関する調査結果についてのアメリカの声明は政治的なもので、犯罪調査にも、またアブアクレ氏の命を奪った銃弾の調査にも関係がない」と述べています。
また、「これは事前に用意された、第一級の政治的声明であり、銃弾に関して調査されていようがいまいが同じである」としました。
さらに、「アメリカのこの声明は、イスラエル軍がアブアクレ氏を銃撃した事実の隠蔽および、さらなる対イスラエル支持のための工作である」と語っています。
続けて、「パレスチナ自治政府は、イスラエルに贔屓しその犯罪を隠蔽したアメリカの政治的声明を拒否する」と述べました。
最後に、「アメリカはこの声明をもって、犯罪者や殺人犯の逃亡を幇助しようとしている」とし、「アメリカ政府は銃弾を突き止めたものの、透明性のある調査を実施せず、同国政府内では一連の口実探しにより、イスラエルにアブアクレ氏暗殺の罪を着せないようにすべく一連の工作がなされた」と結んでいます。