バイデン氏の西アジア訪問が喧騒の中で終了、サウジ皇太子への特別な贈呈品
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バイデン米大統領の西アジア訪問が終了しました。この訪問の最大の成果は、訪問先の1つ・サウジアラビアのムハンマド皇太子の位置づけを、同国の権力構造や地域において復活させたことです。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
7月 17, 2022 21:09 Asia/Tokyo
  • バイデン米大統領
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バイデン米大統領の西アジア訪問が終了しました。この訪問の最大の成果は、訪問先の1つ・サウジアラビアのムハンマド皇太子の位置づけを、同国の権力構造や地域において復活させたことです。

バイデン氏の今回のサウジ訪問の目的は、米・サウジ関係の改善でした。しかし、今回の訪問および、バイデン氏とサウジ当局者、特にムハンマド皇太子との会談の様子を収録した画像からはバイデン氏のこの訪問が米・サウジ関係を激変させることはそれほど期待できないことが見て取れます。

バイデン米大統領のサウジ訪問

バイデン氏がサウジ・ジッダ空港に降り立ったときも、ムハンマド皇太子はバイデン氏を迎え出ようと駆け寄らず、サウジ政府関係者の中でもそれほど地位の高くない者が、バラの花とともにバイデン氏を出迎えたにとどまりました。ムハンマド皇太子は、サウジ王宮前でバイデン氏がやって来るのを待ち、しかもサルマン・サウジ国王は王宮前にすら出てこず、王宮内でバイデン氏の到着を待つ、という有様でした。

有識者らは、サウジ当局者がこのような形でバイデン氏を出迎えた様子を、2017年のトランプ前米大統領のサウジ訪問時と比較しています。トランプ氏のサウジ訪問の際には、サルマン国王が直々に、到着した米政府専用機まで赴きトランプ氏に歓迎の言葉をかけ、さらにはトランプ氏がサウジ当局者らと剣の舞を実施して、双方の親密ぶりをクローズアップさせていました。

2017年のトランプ前米大統領のサウジ訪問

一方、今回のサウジ訪問終了時に、バイデン氏はサウジの聖地メッカ州知事により見送られ、サルマン国王とムハンマド皇太子は、空港に見送りにさえ来なかったのです。

 

そして、もう1つの問題は、サルマン国王がサウジの産油量の増加を発表した時にも、「この決定は既に発表されており、2027年までにわが国の産油量を増加する」と述べていることです。ファイサル・サウジ外相もジッダでの記者会見で、「そもそも、今回の会合で産油の問題は提起されなかった」と語りました。

このことから、バイデン氏は石油生産の増量に関しては、かなりの割合で自らの目的を達成できなかったと言えます。

 

また、イランに関しても、バイデン氏は「我々はイランに核兵器獲得を許さない」という繰り返しの文言を述べていますが、ムハンマド皇太子はイランとIAEA国際原子力機関の協力の必要性を強調しています。さらに、同皇太子はやわらかい口調で、イランに対し、地域諸国との協力を呼びかけています。

ファイサル外相

さらに、ファイサル外相もジッダでの記者会見で、イラン・サウジ間の協議がプラスのものであったことを強調し、アラブ版NATOの結成に関する主張を否定するとともに、「アラブ版NATOなどという名称がいったいどこから出てきたのか、全くわからない」と述べました。

バイデン氏による、サウジを初めとする西アジア地域訪問が、彼にとってそれほど目ぼしい成果をもたらさなかったのであれば、一方でムハンマド皇太子には明白な成果があったということになります。

アメリカのニュースサイト・ハフィントンポストは、バイデン氏の今回の西アジア訪問の結果や影響に関して、次のように報じています;

「今月15日、バイデン大統領はムハンマド皇太子に、トランプ氏が贈与できたであろうものよりも、もっと大きな贈り物を贈った。それは、弊害受け入れがたいである。バイデン氏は、ムハンマド皇太子の公邸で、グータッチにより会談した。これは、各国メディアですぐさま報じられた。ムハンマド皇太子をアメリカ大統領の直接の交渉相手として顕示した会談が開かれた。これに対し米ホワイトハウスは、バイデン大統領が主にサルマン国王とのみ交流していることを強調していた」

 


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