国連事務次長が予測、「トルコ・シリア地震の犠牲者は5万5000人に達する」
OCHA国連人道問題調整事務所のトップを務めるマーティン・グリフィス国連事務次長が、最近の地震で甚大な被害を受けたトルコ南部のカフラマンマラシュを視察し、「今回の地震による死亡者数は5万5000人に達するだろう」との予測を示しました。
ファールス通信によりますと、グリフィス事務次長は11日土曜、今月6日に発生した1回目のマグニチュード7.8の地震の震源地に程近い、トルコ南部カフラマンマラシュに到着しました。
グリフィス事務次長は、「トルコ・シリア地震による死者数は、現在の2万8000人の倍に達するだろう」との予測を示しました。
さらに、英ロンドンに本部を置く英語メディア・スカイニュースの取材に対し、「瓦礫の下を捜索する必要があるため、正確な数を見積もることは困難だ。だが、この地震での犠牲者数は現在の2倍以上になることは確実だと思われる。実際に我々はまだ、死者数の算定を開始していない」と述べました。
また、トルコのオクタイ副大統領は12日日曜未明、報道各社に対し、「カフラマンマラシュ県で発生した地震で他の9つの県にも被害が及んでおり、この地震による国内の死者数は2万4617人、負傷者数は8万人以上に増加した」と語りました。
さらにこの地震の被害を受けた隣国シリアの地元当局および医療筋も、「これまでに、この地震で少なくとも3575人が死亡している」と発表しています。
複数の報道によりますと、トルコとシリアの被災地では酷寒により、緊急支援を必要とする数百万もの人々が苦痛にあえいでいるということです。
国連は、トルコ、シリア両国で少なくとも87万人が温かい食事を必要としており、またシリアだけで最低530万人が住む家を失ったことを明らかにしました。
さらに、WHO世界保健機関は、約2600万人が地震の影響を受けたとしています。
また、AFADトルコ災害緊急事態対策庁は、「3万2000を超える国内の組織がこの災害の生存者を捜索する取り組みに参加しており、加えて約8294人の国際援助隊員もこの活動に参加している」としました。
イランなど一部の国は、地震発生直後から救援部隊の派遣に加え、シリア国内の被災地に人道支援を行っていますが、一方で特にアメリカをはじめとする西側諸国の対シリア制裁により、シリアの被災地への支援提供が困難となっています。そのため、被災者向け救援物資を運ぶ航空機のほとんどは、シリアへの入国を回避しています。
シリア航空機関のマンスール長官は12日、レバノンのアルマヤーディン・テレビのインタビューで、「わが国の空港はこれまでに、国内北部の被災者への人道支援物資を運ぶ60機の航空機を受け入れた」と語りました。


