視点;アフマド・カーゼムザーデ解説員
対ガザ全面戦争、11日目に突入した戦争犯罪
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パレスチナ・ガザ地区のパレスチナ人住宅への攻撃
パレスチナ抵抗勢力による対シオニスト作戦「アクサのー嵐」の実施以来、シオニスト政権イスラエルの空爆が11日目を迎え、この中でシオニスト政権はパレスチナ・ガザ地区のパレスチナ人住宅への攻撃を続けています。
ガザ南部での停戦成立の噂は、イスラエル政権の妨害行為および、この政権とエジプトや米国との見解の対立により実現されず、ガザとエジプトの境界にあるラファ国境は閉鎖されたままです。
世界をあっと言わせた大規模な奇襲攻撃である「アクサーの嵐」作戦、そしてガザ住民に対するイスラエルの無差別攻撃開始から11日目に際し、アメリカ、イギリス、フランスは一時停戦およびガザ住民への人道支援物資の送付というロシアの決議の採択を阻止しました。そして、同時にシオニストメディアは、西アジアなどを管轄するCENTCOM米中央軍司令官による、占領地テルアビブへの電撃訪問を発表しました。
イスラエル側は過去11日間において、ガザへの絶え間ないミサイル攻撃や爆撃、完全包囲に加え、この地区への水道と電気の供給をも遮断しました。これは、ガザの一部の病院の閉鎖を招いた反人道的行為に値します。
パレスチナ保健省の発表によりますと、パレスチナ各地に対するイスラエルの攻撃により、過去24時間だけで254人のパレスチナ人が殉教し、562人が負傷しました。
複数の統計からは、イスラエル軍による爆撃の結果、2,837人以上のパレスチナ人が殉教した他、1万2,000人が負傷しており、その半数が女性と子供であることが判明しています。
同時に、UNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関の広報局長の話では、今月7日の戦争開戦以来、ガザ地区で100万人のパレスチナ人が難民となっているということです。
ここ数日間、イスラエルはガザ地区北部での地上戦開始に向けた準備を整えるため、ガザ北部の100万人以上の住民に対し、この地域からの退避を要求しました。
イスラエル当局は、後に同政権の軍事・政治関係者、特に過激なネタニヤフ・イスラエル内閣のメンバーを訴追するための証拠となる可能性がある、ガザでの自らの犯罪に関する報道を阻止すべく、ジャーナリストを意図的に狙い攻撃しており、これにより少なくとも12人のジャーナリストが命を落としました。
同様に、さらに多くのパレスチナ人死傷者を出させるべく、ネタニヤフ極右内閣は、重爆弾や焼夷弾の使用に加えて、救援・救命関係者を意図的に狙い攻撃し、同時にガザ地区への医療施設や設備への搬入を阻止しています。
アクサーの嵐作戦でパレスチナ側からの奇襲攻撃により敗北したイスラエル軍は、今度はこの敗北を埋め合わせようと自暴自棄に走り、ガザ地区の無辜の市民を狙うという行動に出ました。さらには彼らにとってのライフラインである水道や送電を停止した上、全ての検問所を閉鎖し、ガザ地区での一大大惨事を引き起こしています。
確かに、ガザ民間人に対するイスラエルの行動の範囲と激しさの一部は、この政権の人種差別的な体質とネタニヤフ内閣の過激主義的・右翼的アプローチに由来しています。
しかし、その他の部分は地域・国際機関の消極的な態度、さらには国連安保理の常任理事国の過半数を占めている西側諸国の政権に根付いています。これらの西側諸国は、安保理で提案された対イスラエル非難決議案に拒否権を行使することで、シオニストの犯罪を促しています。
このため、このような状況において、人権尊重や人道的な惨事の拡大防止に向けた国連の努力に注目し、人権、安全保障、世界平和を支援するこの機関に対しては、この大きな問題に積極的に介入し、抑圧されたパレスチナ国民を守り、人道支援、保健・医療品、保健サービスの提供のための安全なルートを確保することが期待されているのです。