米のイエメン攻撃を阻む諸要因
(last modified Tue, 23 Jan 2024 11:01:49 GMT )
1月 23, 2024 20:01 Asia/Tokyo
  • 紅海   
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アメリカは、イエメンが行うイスラエル政権関連船舶への紅海封鎖を打ち破るための作戦に強い意欲を見せていますが、いくつかの要因がこの対イエメン戦争の拡大を阻んでいます。

レバノンのニュースサイト「アル・アへド」は記事の中で、紅海情勢はアメリカの思惑通りには進んでおらず、その軍事的緊張や危険・脅威の増加は、地域の緊張拡大にも要因となっていると記しました。

さらに、「イエメンは以前にも、サウジアラビアやアラブ首長国連邦の連合により攻撃されたが、それによりイエメンを降伏させ、その能力を壊滅させることはできなかった」としました。

アメリカは、ガザで大量虐殺が続く陰で、イスラエル船舶の航行を助けるという名目のもとに紅海での軍事作戦を開始しましたが、これはアメリカの立場を弱めることになりました。

一方のイエメンは、ガザの封鎖解除と戦争マシンのようなシオニスト政権の行動の停止を目指した海上措置により、アラブ・イスラム諸国からの広範な支持を得ました。

アル・アへドはイエメンの軍事的強みについて、「イエメンはあらゆる場所から発射可能な陸上・海上ミサイルを多数保有している。イエメンはまた、その無人機で米英軍の防衛システムを機能不全に追い込んでいるだけでなく、遠隔で操作・爆破が可能な無人戦闘ボートも保有している。さらに米軍にとっては、機雷も悩みの種となっている」と説明しています。

こうしたイエメン軍の装備に対し、世界一の軍事大国とされるアメリカは、限られた選択肢しか持ち合わせておらず、そのいずれもきわめて高いコストを伴うものです。

アメリカは、イエメンとの緊張を引き起こすため地域に多くの代理勢力を持ち合わせていますが、ガザに対する多くの国民的支持により、この選択肢は必ず失敗することになります。

記事はまた、アメリカが対イエメン戦争の拡大を懸念しているとし、「イエメン攻撃の継続は紛争の激化と、ひいては(紅海の入口にある)マンデブ海峡の封鎖につながる。そしてそれは、いずれホルムズ海峡にも波及する。そうなれば、アメリカの船舶にとって安全な場所は全くなくなる」としました。

アル・アへドは記事の最後で、「この戦争でサウジやUAEにアメリカ支持を強要することは、きわめて高いコストが伴う。それは、世界市場において石油価格の下落をもたらすことになるためだ」としました。

 


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