視点
パレスチナと虐殺マシーンとしてのアメリカ
シオニスト政権イスラエルの政府樹立について、西側は、ナチス・ドイツ政権がユダヤ人に対し行った暴虐・ホロコーストに対する論理的な結果という見解を示していますが、これは経緯を非常に誇張した説明です。この出来事は実のところ、イスラエルの存在論や、国際シオニズムおよび西側各政府にとっての重要な利益と切り離せない関係を持っています。さらに、西側の主張でも西欧の一部諸国が行ったとされているユダヤ人への暴虐について、その代償をなぜパレスチナ人が払わなければならないのかは、まったく判然としません。
人権を主張する者たちは実際、パレスチナ領土を占領できるような口実を自分たちで作り出すため、このような一部の犯罪を、アメリカによる日本への原爆投下などの第二次世界大戦中に行われた他の犯罪と比べて大きく見えるように扱ったのです。
一方で彼らは、他の戦争犯罪に対して同じような姿勢を見せたことは決してありません。
例を挙げると、朝鮮戦争では、アメリカの介入により少なくとも80万人の兵士と150万人以上の民間人が殺害されましたが、このような大規模な虐殺が人権を主張する者たちから批判を受けることは、全くありませんでした。
しかし、この戦争時に米軍の司令官だったカーチス・ルメイ氏は、「我々は朝鮮の北でも南でも全ての都市を炎上させた。約3年ほどの間に、戦争で直接、あるいは飢餓や後遺症で、韓国の人口の20%を殺害した」と、はっきりと語っています。
(参照: https://www.weeklycitizen.com/story/opinion/2017/08/24/op-ed-we-burned-down/19346932007/)
アメリカは、その数年後にもベトナムで再び虐殺マシーンとして動き出し、20年間で少なくとも民間人200万人・兵士100万人以上を殺害しましたが、人権を主張する者たちは沈黙を貫きました。
さらに、2003年にはイラクも、アメリカの根拠のない主張によってその機械のような虐殺に巻き込まれ、少なくとも100万人の罪のないイラク民間人の命を奪う戦争が勃発しました。しかし、ここまできても西側の人権を主張する者たちは、批判や非難は行わず、自分たちの利益のために沈黙していました。
同じような有様は今日、パレスチナ・ガザでも見ることができます。そこでは虐殺が起きている最中で、国際世論もそのことを懸念していますが、人権を主張する者たちは依然として沈黙し続けています。
アメリカはこのようにまたもや、大量虐殺を主導しているのです。
同国は、人道的なジェスチャーを取ることで、シオニスト政権イスラエルがパレスチナに対して行う戦争に自身が直接参加しているために受けている世論の圧力を減らそうと試みながら、安保理においては、ガザでの即時停戦を求める決議案に、これまで3度拒否権を行使しています。
中でも、3度目となった先月20日の安保理決議案採決では、現在同理事会の非常任理事国を務めるアルジェリアがアラブ諸国を代表して提出した決議案が、理事15カ国のうち13カ国が賛成票を集めたにもかかわらず、アメリカの拒否権によって否決されることとなりました。
我々は、アメリカがガザでの停戦成立を阻止し、さらには、イスラエル政権に膨大な金銭・軍事面での援助を行いパレスチナ人虐殺に協力していることを、決して忘れるべきではないのです。