May 28, 2024 15:34 Asia/Tokyo
  • トルコ大学教授「シオニズムはユダヤ教を悪用した」
    トルコ大学教授「シオニズムはユダヤ教を悪用した」

トルコ・イスタンブールの大学教授は「シオニズムはユダヤ教を悪用している。というのも、シオニズムを提唱した初期の指導者らは無神論者であったからだ。言い換えれば、シオニズムとはユダヤ教を悪用したファシズム思想なのだ」と語りました。

イスタンブールの大学で歴史学を教えるイスラム・ウズカン教授は、イランの通信社とのインタビューで、宗教史における聖地ベイトルモガッダス・エルサレムやパレスチナの重要性について「聖地の歴史について知ることはきわめて重要だ。そのことは宗教史や聖典などでも言及されている」と述べました。

その上で、「現在のイスラエルは2000年以上前の歴史を利用して、パレスチナという土地の所有権を主張しているが、そのような歴史観を否定し、イスラエルが虐殺・占領により設立された体制であると考える人はシオニストの中にもいる。しかし残念なことに、そのような人々でさえ、誕生した以上は生存する権利があると主張している」と語りました。

ウズカン教授は、

「パレスチナ問題は、イスラム教徒とユダヤ教徒の間の宗教問題ではない。パレスチナ問題は政治問題であり、ひとつの土地の収奪・占領である。占領者はこれを宗教問題だと見せかけようとし、パレスチナが神がユダヤ人に与えた約束の土地であると主張する」

と語りました。

同教授は、「パレスチナ問題を法的・人道的観点からどのようにみるべきか」との問いに、「法的にみれば、パレスチナは不当に占領された土地だ。人道的観点からみると、パレスチナに最初に住んでいた住民はそこで生きる権利を奪われ、占領者はその土地を自らの祖国と主張した。これは人道に反することだ」と答えました。

そして、「より人道的に語るなら、聖地はイスラム教徒のものではなく、イスラム教徒・ユダヤ教徒・キリスト教徒が共存するパレスチナ人のものだと言わなければならない。聖地はそのような人間のものであると言ってもいいだろう。もし占領者がパレスチナの土地から出ていけば、かつてのオスマン帝国時代のように、ユダヤ教徒も聖地で生活でき、どの宗教も自らの信仰を貫くことができるだろう。ハマスが言う『聖地は我々のものだ。聖地にある教会やシナゴーグ、モスクは我々のためのものだ』というのはそういう意味でのことだ。聖地はイスラム教徒だけのものではない。イスラム教徒・ユダヤ教徒・キリスト教徒が共存するパレスチナ人のものだ。パレスチナが解放された暁には、どの宗教も何の懸念もなく自らの信仰を実践し、その信仰の自由に介入する権利を持つ者は誰一人としていなくなる」と述べ、「パレスチナ問題とは、自由で人間的な考え方をする人にとって重要性を持つ問題なのだ」としました。

ウズカン教授はまた、ユダヤ教に関するシオニズムの見方について「シオニストは宗教を悪用している。彼らはユダヤ教を口実にしているにすぎない。というのも、シオニズムを提唱した初期の指導者らは無神論者であったからだ」と語りました。

その上で、「今日のシオニストは世俗主義者であるにもかかわらず、旧約聖書の一節を引用する。彼らが追求しているのは、人種による統治である。言い換えれば、シオニズムとはユダヤ教を悪用したファシズム思想だ」としました。

また、コーランに書かれたユダヤ人に対する見方について、「コーランはユダヤ人をその人種を理由に非難しているのではなく、その宗教的逸脱・腐敗でもって神の罰が下ったとしている」と語りました。

ウズカン教授はこれについて、「コーラン雌牛章第47節・122節に興味深いことが書かれている。この節で神はイスラエルの民に対し、彼らに与えた恩恵を思い起こすよう語る。他の節では、その恩恵がどのようなものであったかが述べられており、イスラエルの民の優越性が示されている。しかし、その優越性は、彼らが神の教えを改ざんせずに守っていた時期の話である。コーラン雌牛章第65節が明らかにしているように、彼らはその人種ではなく、神の命に背いたという行いのために、罰せられたのである」と語りました。

 

 


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