ハマス政治局長が西アジアでの米外交政策を孤立させたノウハウ
米紙ニューヨーク・タイムズは、「バイデン米大統領の西アジア政策はどのようにして失敗したか」と題した記事の中で、「この失敗は、ハマスの対イスラエル作戦『アクサーの嵐』の指揮官で現政治局長のヤヒヤー・シンワル氏の人物像に起因する」と記しました。
【ParsToday国際】ニューヨーク・タイムズは、シオニスト政権イスラエルが国際社会で孤立しパレスチナとレバノンの抵抗に手こずっていることを、西アジアにおけるアメリカの外交政策の失敗と位置付けました。同紙はハマスのシンワル政治局長を「いかなる状況下でも計画実行を辞さない戦略家である」と評しています。
また、アラブ諸国の対イスラエル関係正常化を指す米・イスラエルによる「アブラハム合意」に対してアクサーの嵐作戦がもたらした影響について言及し、「イスラエルがアラブ諸国の各政権との関係を正常化している中、パレスチナの理念は忘却されつつあったが、シンワル氏は再びパレスチナ国民の苦しみ、そしてこの苦痛の払拭のために戦う必要性を国際世論に想起させた」「シンワル氏はイスラエルが被害を受けやすく脆いことを示し、国際体制におけるイスラエルの合法性とその力が時間の経過とともに喪失されるよう手はずを整えた」などと指摘しました。
そして、「イスラエルが南アフリカのアパルトヘイト政権のような孤立政権になった原因は『アクサ―の嵐』作戦にある」としました。
また、米国の対西アジア政策の失敗についても、CFR・米外交問題評議会のリチャード・ハース名誉会長の発言を引用し、「外交政策とは、諸外国政府の外交政策に影響力を行使することを意味しており、米国はこの点に関して失敗した」としました。
他にも、アメリカ外交政策の上級アナリストであるフランクリン・フォア氏の発言として、西アジアにおける米の政策を「失敗の解剖学」と名付けました。
ニューヨーク・タイムズ紙は、「今やパレスチナの理念の実現は国際的要求となっており、アメリカにおいてさえ新世代はイスラエルを支持していない」と強調しました。