イラク総選挙、なぜ投票率は上がったか?
-
イラク総選挙、なぜ投票率は上がったか?
11日に行われたイラク総選挙の投票率は55%で、前回2021年の41%を上回りました。
【ParsToday西アジア】イラク選挙管理委員会は12日、開票率99.7%の時点で、今回の投票率が55%を超えたと発表しました。全有権者およそ2100万人のうち、1200万人以上が投票したことになります。これは、2021年に行われた前回総選挙の41%(歴代で最低の投票率)にから大きく伸びる結果となりました。投票率が大幅に伸びた背景には何があるのでしょうか?
今回の選挙では、有力な政治組織「サドル運動」のムクタダー・サドル氏が、選挙のボイコットを呼びかけました。しかし、投票率が14%も増加したことは、結果的にボイコットの呼びかけが失敗に終わったことを示しています。
また、一部の外国勢力も、低投票率により新政権の正当性が低くなるよう期待していましたが、それも失敗したことになります。例えば、米国はイラク抵抗勢力の議席が伸びるのを阻止するため、選挙前に様々な圧力を行使しましたが、それが逆に投票率の上昇を促すこととなりました。
こうしたことから、今回の選挙はイラクの民主主義の正当性と機能性を試す重要な試金石であったと言えます。また、治安上の大きな懸念もなく、投票がスムーズに行われたこともイラクの民主主義の成熟度を示しています。
選挙管理委員会が発表した暫定結果によると、スーダーニー首相率いる「復興開発連合」が現時点で最大勢力となる見通しです。これは、イラク国民がスーダーニー政権の4年間に対して一定の支持を示したと言え、これが投票率の上昇に繋がったと考えられます。ただし、現時点ではスーダーニー首相が再任されることを保証するものではなく、今後、各会派間での多数派工作が必要になります。
サダム・フセイン政権が崩壊した2003年以降、2期以上続けて首相を務めたのはヌーリー・マーレキー氏のみです。

