ヨーロッパ人の懸念材料はインフレか、それとも安全保障か?
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ヨーロッパ人の懸念材料はインフレか、それとも安全保障か?
新たな世論調査の結果から、フランス国民の大多数は自国が正しい筋道から外れていると考えていることが明らかなりました。
政治専門家らは「フランスでは政情不安、インフレ、犯罪や暴力の増加感が相まって、政府に対する国民の信頼がヨーロッパ諸国の中で最低レベルにまで落ち込んでいる」との見解を示しています。
【ParsToday国際】フランスに本社を置き、世界90カ国でマーケティングリサーチを提供する市場調査会社・イプソスが30カ国で実施した最新の世論調査からは、フランス人の92%が自国が正しい方向から外れていると考えていることが明らかになりました。またこの調査によれば、フランス人のほぼ3人に1人は、この傾向は「不可逆的」であるとも述べています。しかし、このような悲観的な見方をしているのはフランスだけではありません。イプソスは、オランダ(83%)、ハンガリー(80%)、ドイツ(77%)、イタリア(73%)、イギリス(73%)、スウェーデン(72%)など、ヨーロッパ全土で悲観と絶望の波が広がっており、「これらのヨーロッパ諸国の国民の大多数が自国が間違った方向に進んでいると考えている」と発表しました。
イプソスによれば、より広い視点から見て生活費はもはやヨーロッパの人々にとって最優先事項ではなくなっています。そのため、2025年の夏は、イプソスの調査対象国における市民の最重要懸念事項のリストにおける転換点となり、インフレと生活費は、現在世界規模で主要な懸念事項となっている犯罪と暴力(33%)に取って代わられています。ヨーロッパ諸国の中では、治安の問題が最も大きな懸念事項となっており、特にフランス(35%)、ドイツ(35%)、ベルギー(33%)、そして特にスウェーデン(57%)でその傾向が顕著になっています。
また、ハンガリーでは公衆衛生システムの現状(63%)が最も懸念されており、イギリスでは移民管理(44%)が最大の懸念事項となっています。一方、欧州における軍事紛争のリスクはより切迫したものとなり、主要懸念事項リストの9位にランクインしており、これは2024年10月から3ポイント上昇しています。ポーランドはこれを最大の国家的懸念事項と見ており、回答者の46%が懸念を表明しています。また欧州とアメリカの双方において過激主義への懸念が高まっており、これは主要懸念事項リストの12位に上昇しています。

